初めてお笑いライブに行った日

水面下で気になっている芸人さんがいる。

にぼしいわしさん。女性芸人。

ツッコミのいわしさんが執筆した『ウケた後のビール』が、まあ面白かったのだ。“まあ”どころではない。めちゃくちゃ面白かったのだ。

言葉の回路が恐ろしく発達してるのだろうな、と思う。喋るように書く人だな、とも思う。肉声ではどんなネタをしているのかと思って調べてみたらYouTubeにネタ動画が投稿されていた。

で、見てみたら案の定というか、まあそれも面白いのである。やはり“まあ”どころじゃなく、めちゃくちゃ面白いのである。ラジオトークも面白いのである。

もっとネタを見たいなと思っていたら、手が勝手に単独ライブ『ソーラーパネル争奪戦』のチケットを予約していた。お笑いなんてM-1グランプリくらいしか見ないくせに! ライブなんか行ったことないくせに!

お笑いを知らない私がいきなりライブに行って大丈夫なのか、貴重な席を1つ消費して良いのか、と心配になってきたのは予約した2日後だった。多分、誰もそんなこと気にしてないと思うけども。

当時は本気で悩んでいたけれど、今振り返ると無用な心配だったなと思う。何事も悪い方に考える私は、ありもしない心配事を作るのが得意だ。

ライブ当日、開場から10分遅れて入店すると、すでに席が8割埋まっていてビックリした。全面黒く塗りつぶした舞台に向かい合うように椅子が並べられている。

お笑いのライブ会場ってこんなんなんや~、と半ば見物感覚で見渡す。怪しいやつだ。

席は間隔を開けてセッティングされているのだけど、後方は配信用のカメラを挟んで用意されていた。このカメラは「動かしたら絶対○す」という明確な○意が伝わってきて怖かった。絶対に触れるまい。

まごつきながら受付を済ませ、お姉さんに自由席だと教えてもらう。

このときは、最前列の良い席が1つだけ空いていて、後方はまだポツポツと余裕があったように記憶している。

1つだけ空いている最前列に陣取るか、後ろのゆったりした席を確保するか迷う。で、迷った挙句、後ろの席に。ちなみに最前列の席もほどなくして埋まった。

さて、我々観客は、マスク着用の上でライブに参加するのだけど、これをすると顔が半分隠れてしまうのが困る。私は医者にお墨付きをもらうくらい表情が硬い。口元を隠されると無表情にしか見えないのである。

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恐らくだけれど、笑っていてもこんな顔だと思う。これはマズい。お笑いを見に来ている人間の顔じゃない。笑っているのにそうでないように見える。

面白いときは目元で笑おうと、何度も自分に言い聞かせてライブ開始を待っていた。ありもしない心配事を作るのが本当に得意である。

『ソーラーパネル争奪戦』が、どういう事なのかすごく気になっていたのだけど、その謎は開始5秒くらいで明らかになった。

1月13日(水)22時(購入は20時)までアーカイブ配信されているので、事の顛末が気になる方は、ぜひ下記ツイートのリンクにて詳細をご確認ください。
【1月14日追記】アーカイブ期間終了しました!

漫才もコントも映像も、どれも見ごたえがあって面白かった。

先ほど引用したツイートにある「イチキドウイチ」のネタとかめっちゃ面白い。これを見せたいがために、アーカイブチケットを配って歩きたいくらいである。

小道具も凝っていて、それを見てるだけでも楽しかった。私は。私はね。ソーラーパネルなんて、セロファンが照明に反射してステンドグラスみたいになっていた。要はとても綺麗だった。キーホルダーにして持ち歩きたいまである。

ゲストのギャンブルフードさんとボーカルさんは、このライブで知った芸人さんだったけれど、どちらもまあ面白い。お約束だけれど、“まあ”どころではなく、めちゃくちゃ面白い。

どのネタも、どなたのネタも面白すぎて退屈する時間が無かった。そんな1時間だった。あと芸人さんって本当に声大きいんだな、とネタと関係ないところで感心していた。

いわしさんは“1時間は単独ライブとしては短いかな”とおっしゃっていたけれど、長いネタも短いネタも惜しみなく見せていただいて物足りなさは感じなかった。

ライブ終わりには目の前でラジオ配信もしてくださり、準備期間のエピソードやライブのコンセプトなど、興味深い話がたくさん聞けた。「せやんなあ」談義が特に好き。いわしさんありがとう。

後ろの席に座っていたけれど、わざわざにぼしさんがステッカーを手渡ししに来てくださったのが印象的だった。何に貼ろうかアレコレ考えていたけれど、もったいなく感じて今は手帳に挟んで保管している。

お笑いライブってこんなに面白いのか、とビックリしたり、感動したり忙しい時間だった。ずっと笑い通しで本当に幸せだったなあと。

ライブが終わって数日経つけれど、参加して良かったと今も思っている。新年早々、良い思い出が1つできた。

にぼしいわしさん、ギャンブルフードさん、ボーカルさん、お正月からたくさん笑わせてくれて、ありがとうございます。

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