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【ホンのシネマ】『ユー・ガット・メール』は本屋好きの原点となる作品

オンライン試写でみる予定だった映画を諸事情あって今日見ることができなかったので、久々に『ユー・ガット・メール』を観た。
この作品、1999年に公開されたメグ・ライアンとトム・ハンクスの恋愛ロマンチック・コメディ作品で、当時流行りだしたインターネット恋愛の作品と紹介されがちなんだけど、私的には主人公2人の職業が本屋って所がめちゃくちゃツボで、どっちかというと恋愛はそっちのけで大好きな作品。

久々に観返してもやっぱり素敵な作品だったので、今ここで紹介しようと思います。


▶︎あらすじ

ニューヨークの大手チェーン書店の経営者一家の一員であるジョー(トム・ハンクス)」と、その近くに40年以上ある小さな書店を経営するキャスリーン(メグ・ライアン)。お互いの正体を知らずにEメールでのやり取りだけで好意を寄せるようになる。
しかし、現実には商売敵。
そんなことは知らずに、メールでアドバイスをもらったり、実際に会う話も出てきたり・・・。
キャスリーンは、母の代からの大切な書店を守ることができるのか?

『めぐり会えたら』のノーラ・エフロン監督が、トム・ハンクスとメグ・ライアンと再集結したロマンティック・ラブストーリー。

▶︎90年代ニューヨークの書店が素敵すぎた

私がこの作品の何が好きかって、「書店で飲食しながら過ごすことができる」大型書店と、親の代から通い詰めた「町の小さな本屋さん」の対比だ。
当時、まだ書店で飲食なんてとんでもない、本屋は本を置いているだけという常識が、この映画を観た時にガラガラと音をたてて崩れ去り、「こんな本屋あっていいんだ! 本屋でゆっくりコーヒーを飲みながら本を読める!」とか、「本棚に本だけでなくぬいぐるみやおもちゃ、雑貨が並んでいるなんて、可愛すぎる・・・」と、映画館で震えたのをいまだに覚えている。

そうなんです!
私、毎日でも本屋に行きたいくらい本屋好きなんです。
1日に何軒も見て回って平気。
旅先でも必ず本屋に行くほど本屋好き。
その原点は、この作品な気がするんです。

作中でキャスリーンは、「書店員の知識のなさをコーヒーでカバーしている」とか、結構酷いこと言っていますが、個人的にはどちらの書店もあって欲しい。
広いスペースでたくさんの本が並び、書店員がわざわざ声とかかけてこないジョーの大型書店と、小さなお店だけど例えば友人の子供にプレゼントするためにどんな本がいいかを相談できるようなキャスリーンの書店も。

とにかく本屋好きにはたまらないシーンが盛り沢山なんです。


▶︎この作品のメグ・ライアンが最高にカワイイ!

メグ・ライアンはこの作品の時、30代後半。
それなのに何だろう、この可愛さは。
ショートカットにシンプルなファッションはとてもよく似合っている。

アクセサリーもほとんどしていなくて、ジャンスカ+ニットとか、アンサンブルニットとか、本当にシンプルなのに素敵。
これって、やっぱりメグ・ライアンだから素敵なんだろうか?

最後のシーンでは今までと違いワンピースにモヘアのニットカーディガン。
これがまた可愛いんです。
25年も前の作品なのに、シンプルな装いのせいか古臭くない。
ちょっと参考にしたくなりました。



▶︎「好きな花は?」と聞かれたら、「デイジー」と答えることにした

とにかく1番覚えているシーンは、風邪をひいて寝込んでいたキャスリーンの自宅をジョーがお見舞いに訪れるシーン。
部屋はぐちゃぐちゃ。
しんどいはずなのに、焦ってそこらじゅうに散らばったティッシュとかをかき集めて、食べっぱなしの食器も流しへ。(笑)
パジャマ一枚では心許ないから、トレンチコートを羽織って出迎えるこのシーン。

ジョーは、片手に花束を持っていて、それはそんな大層なラッピングをしたものではなく、そこら辺の市場で買ってきたようなデイジーの束。(初対面の時に、彼女が好きといっていたのを覚えているところも、ジョー最高!って思わせる所)
彼女はデイジーが好きな理由を「こんな親しみのある花他にはないわ」というセリフが大好きで、好きな花を聞かれたら私もデイジーと答えるようにしています。(ミーハーです)



▶︎作中に出てくる映画や本はやはり気になっている

さすが、書店を経営している2人は、本とか映画の言葉を引用しています。

・『ゴッド・ファーザー』

ジョーはやたらと『ゴッド・ファーザー』の話をする。
昔、観たけど詳しくは覚えていないからもう1度観返そうかなあ。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CXJMTMK4/ref=atv_dp_share_cu_r


・『高慢の偏見』

キャスリーンの愛読する『高慢と偏見』はこちら。
待ち合わせの時にバラを挟んでいた本もこちらでしたl。
私もジョーと同じ反応をしてしまいそう。


『高慢と偏見』はドラマ化されているようです。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07HMB4M1S/ref=atv_dp_share_cu_r


・『街角桃色の店』

実は『ユー・ガット・メール』はリメイク版でした。
もとはこちらの『街角桃色の店』だとか。
舞台は、ニューヨークではなく、ブタペストとのこと。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B089J87MC3/ref=atv_dp_share_cu_r


・『ユー・ガット・メール』サウンドトラック

この作品、音楽がとても良いです!
サントラは昔持っていたのに、今手放してしまった。
もう一度買い直そうか検討中。(サブスクで見つからなかった)




▶︎書店の話を見ていたら、本屋の本を読みたくなる

書店が出てくる作品なので、本屋が舞台の話だったり、書店員の本が読みたくなってきました。
この2作品は、3月に梅田蔦屋書店のイベントで購入した2冊。
どちらも作者の方のお話が聞けて楽しかったのです。

・『あすは起業日!』

ネットの本屋を起業しようと奮闘する様子が描かれています。
本はもちろん起業の大変さなど、読みやすい文章で描かれた小説です。


・『本屋のミライとカタチ 新たな読者を創るために』

本屋の未来の姿を考えるノンフィクション。
こうやって本の紹介をするだけで「広い意味では本屋」と書いてあったりで面白い。



現実の厳しさを教えてくれた作品だけど、やっぱり憧れる書店

さて、この作品は今から25年前のものだと知って、結構ショックを受けてしまった私です。
そうか、あれからもう25年も経っているのか。
(本屋になりたいなあ)とふわっと思ってから四半世紀、全く進歩していないこの状況です。
とはいえ、この25年前とは比べようもないITの進化を目の当たりにしている私としては、そのうちしれっと本に関わる仕事を小さな形でも始めてみたいと思い返したのでした。

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