「旅・全ての始まりは・・・まだ動く」①
連れ立って歩いた明治通り、中洲「玉屋デパート」前の時計屋だったと思う。何しろ47年も前の事だ。不本意ながら入学する高校の祝いに買って貰った。その後、どこかで飯を食ったような、全てが朧げだ。士官学校出の青年将校の飛行機乗りだった父と連れ立って歩いたのは、幼稚園入学前におもちゃを買いに出かけた地方のデパート。その後は小学校3年だったか?4年だったか?定かじゃないが、自転車を買いに行った時くらいだ。恐かった。いつも叱られていた。だから避けていた。・・・
今は形見の19歳の時に海外に旅立つ前に父から贈られたオメガの時計は、僕の左手首で時を刻んでいた。それが壊れた! 他の腕時計も電池が切れている。ドライボックスから取り出してリューズを回すと動いた。
文字盤も日付も小さ過ぎて老眼の僕には辛いが、暫くは僕の左手首で思い出しかのように時を刻んでくれる。
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