11歳のころの読みかけの本を読み直す

読書にのめり込み始めたのは、ここ数年前。ロンドンに住んでいた時。洋書はたまに読んでいたけど、英語じゃなくて日本語を欲してた。それでも、Amazon Unlimitedからなんとか読みたい日本語の本を探して読み漁ってた。インスタで紹介されている魅力的な本たちは私を帰国に導くには十分だった。こんな書き方しているけど、ビザは容赦なく切れるので帰国せざる負えなかったけど。

そんなこんなで帰国してから読書が趣味ですと言いても大丈夫なくらいに本は読んでいる。最近は、転職を考えていることもあって転職関係の難しい本を読んだし、大好きなエッセイも読んでる。前も私も読書歴について触れたことあったけど、幼少期から本が好きなわけではなかった。大して読んでこなかったし、読書感想文の宿題ほどめんどくさいことはなかった。そのために何か読むのが考えられなかった。あらすじ読んで、最初と最後を少し読んで書く。私は確信してた。先生がわざわざその本を読むなんてことはしないと。そんなことは小学生のまでしか許されないけど。

それでも、なんとなく数少ない読書遍歴を振り返ってみて思う出す本が少しあった。
それは、小学5年生くらいの時に読んでた本。「妖界ナビ・ルナ」シリーズ。主人公のルナには、首筋に第三の目があって、猫をフクロウがいて、妖怪と戦うような、という曖昧な記憶しかなくて。でも、たぶんあの本を熱心に読んでて、たぶん買って読んでたんじゃないかなって思う。(母に聞いたらどうだったかなーとのこと。買ってないかもしれない。)

小学生の頃ってやたらと読書時間が設けられてて、朝に15分くらいあった気がするし、たまに図書館が空いてるとクラス全員で授業中に移動して、本を借りたり図書室で過ごす時間があった。ちなみに当時圧倒的に人気があったのは、かいけつゾロリ。これは本当に人気で私もたまに読んでたし、最新刊が出ると取り合いになってた。
他にも、授業の課題が速く終わった人は、読書をしたりすでに出ている宿題をしてもよかった時間もあった。私は、いつも宿題を片付けるのに勤しんでいた。

そんな中でも、ナビルナを一番読んでた時間と言えば、給食を待っている時間だった。小学生の時、給食当番が1週間ごとに入れ替わってて、その当番をしない人はプチ自由時間で、少し友達を遊んだり、お話ししてもいい時間で、15分20分くらい私は本を読んでた気がする。その時の本を読んでた時の感じや、どの席で読んでたか、天気の感じとか、なぜかこの本を思い出したとき、その当時の記憶が引き出しから一気に溢れ出てきた。

給食を待っているときの食器がかちゃかちゃなる音、みんなのざわざわした声、窓から感じる明るさ。まだ世界の何も知らないくて、ただ地域が同じで同じ年齢の人間が教室に詰め込まれていた時。世界が広いことなんかこれっぱちも考えてなかったのに、ナビルナの非現実世界にわくわくして続きが気になって仕方なかった。本の中の世界だけがどんどん広がっていく感覚。

その後、ナビルナは完結してたんだけど、完結まで読まなかった。理由は、このシリーズの最新刊を待っている間に、中学受験を控えていて、忘れていった。そして、そのまま大人になり、今10歳の頃に読み終わらなかった物語を読み直している。11歳の頃の自分が今、記憶の中の教室のあの席で再び読書をしている。その隣にいるのは、今の自分。11歳と30歳の自分が肩を並べて一緒にページをめくる日が来るなんて。11歳の自分と一緒にこの物語の終わりを見届けられなんて。だいぶ遅くなっちゃったけど、あの頃の読み残しを消化し始めたみたいでなんかちょっとわくわくしてる。


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