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Mexico トンネルの向こうは不思議の町でした 【前編】

この旅で「1番行きたい国は?」と聞かれたら、私の1番は【メキシコ】
サボテンとテキーラの国。

メキシコ初体験の私、メキシコ経験者のよーじろーさん(夫)。

我が家では基本、情報収集はよーじろーさんの担当。黙々と調べ物に没頭し、面白い情報を見つけてきてくれる。
プレゼンしてもらった行程に、横から口を出すのが私の役目。いつも、私が行きたそうな場所、楽しいと思いそうな場所を提案してくれる、いい夫である。

 そんなよーじろーさんが珍しく
                              「どうしても、行きたい場所がある」
                                                                                            と、私に言ってきた。

それはどうも、前回のメキシコ旅行の時に、日程的な問題と、車が無いと行き難い立地にあるという事から断念した秘境の町らしい。
普段、自己主張がほとんど無い代わりに、こう言う時は私に拒否権は無い。それは、決定事項であり、相談では無い。
今回、私たちには車がある。人生初の、マイカーである。
旅の途中で車を買うなんて、出国した時には想像も出来なかった事だった。
もしかして、車を買う決断をした時にはもう、この町へ行く事を決めていたのでは無いかとさえ思てくる。
愛車〈みどさん〉との衝撃の出会いは、また別の機会に書かせていただこうと思っているが、その みどさん のおかげで、メキシコ最初の目的地は、秘境〈Real de Catorce レアル デ カトルセ〉に決まった。

【トンネルを抜けるとそこは…】

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アメリカとの国境を超えた、最初の大きな街〈Monterrey モンテレイ〉そこから車で約5時間、最後の1時間は、ろくに舗装もされていない山道をくねくね くねくね、登って登ってやっと小さなトンネルにたどり着く。
レアル デ カトルセに行き難い最大の理由、それは、その町が山奥の小さなトンネルの、さらに先にあるという事。

しかもそのトンネルはなんと一車線しかない。

つまり、トンネルの向こう側から車が来ている時は、こちらは待たなければならない。そして鬼気迫るトンネルの狭さ。
観光客向けの大型バスが何台か入り口に止まっていたが、バスでは通れないので、トンネルの前でコレクティーボ(バン)に乗り換えていた。
やっと入れたトンネルも、さくっと向こう側へ抜けられるのかと思いきや、
下は石畳みでデコボコ、上と横は掘りっぱなしの土むき出し状態で、
さらに結構長い。
極め付けは、我らが愛車のみどさん、ライトが弱いという持病持ち。
狭い 暗い 怖い。そんじょそこらのお化け屋敷なんかより全然怖い。

トンネルの暗闇を抜けた先に、私が最初に見えたモノたちは、まるでタイムスリップしたか、ゲームの世界に迷い込んだのかと思うような景色だった。

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石畳みと石壁の家々。
車じゃとても上がれなそうな坂道。
何百年も前から変わらぬ姿を、今もなお残している町並み。
カウボーイハットを被り、口髭を蓄え、馬に跨るおっちゃんたち。

やっと、メキシコに来たんだと実感できた瞬間だった。

レアル デ カトルセでは、まだ〈かっこいいお父さんの仕事No.1〉がカウボーイ。
本物のカウボーイがカウボーイハットかぶってるのを見れて、私は猛烈に感動。
だって、アメリカからメキシコに入ってまず最初の率直な感想は「メキシコ、意外と普通の都会だな」だったから。
一面にサボテンが咲き乱れ、カウボーイハットをかぶったおっちゃん達がテキーラとライム持ってラテン音楽で踊ってる、これぞメキシコ。

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さて、まずは宿探し。
行き当たりばったり旅中の私たち、取り敢えず、ガソリンスタンドが近くに無いから、ガソリンだけは満タンにしていけ!とう情報と、この町に来たら探さなきゃいけない”アイテム“がある、という事以外は宿もレストランも、何も調べずやってきた。
ここ、車通れるのか…?
と不安になるような傾斜と細さの道を、安全運転で進んでいく。
ものの10分かからないうちに、町の端から端へ。
どうも安そうな宿がありそうな辺りに車を停めて、一軒一軒、今夜の部屋が空いているか尋ねて歩く。
観光客なんて、だーれも居なそうだったのに(失礼)数件は満室と断られ、雲行きが怪しくなってきた。
一応キャンパーバン仕様にしているとはいえ、メキシコでの車中泊なんて怖すぎる。どうか、部屋が空いてますように… 

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私たちがやっと見つけられた宿は、一見やっているのかさえ分からないような、普通のお家の宿だった。
入り口に一応〈Hotel〉と小さく書いてあったが、完全に2、3家族が住んでる感じ。中庭で遊んでいた子供たちが、奥に居る大家さんを呼んできてくれたのはいいが、なんと英語が全く通じない。
じゃあスペイン語を、と言いたい所だが、メキシコに入ってまだ2日、こちらのスキルは簡単な挨拶と1から10までの数字のみ。
言うなれば、全裸に水鉄砲1丁くらいの装備で戦場に乗り込んだ気分である。
言葉さえ通じれば、たった数分で済むようなやり取りを、お互いに理解出来るまで30分ほどかかりながらも、身振り手振りで2泊分の宿を確保する事ができた。
なんとかなるもんだ。あー怖かった。

この、泊まるところが決まらない問題、旅での3大ストレスにランクインする。
言葉の壁も重大な問題だが、今夜寝るところが無いかもしれないという恐怖は計り知れない。
それも旅の醍醐味だ、と割り切れるようになるまでに、1年はかかったと思う。

さて、宿も決まった、次のミッション。
この町に来た1番の理由である”アイテム“探しに行くために、ツアーに参加したい。
そのツアーに参加するためには、カウボーイのおっちゃんを探さなければ。

気合をいれて、町に繰り出してみたものの、意外とあっさりカウボーイのおっちゃん発見。
ツアーの値段を聞いてみたら、思っていたより結構高い。
値段交渉の為、他のカウボーイさんも探しに行く。
小さい町。結局、最初に会ったおっちゃんに、何度も出くわして、結局このおっちゃんで交渉成立。
最初に言われていたツアーの値段から、随分安くしてもらった。

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初日の必須ミッションである、宿探しとツアー申し込みの両方が完了した為、気楽に町ブラ開始。
Realbucks というカフェを見つけて入る。
完全に、ロゴは大手コーヒーチェーン店 St○rbucks の模倣品だが、出てくる飲み物のクオリティは本家に到底及ばない。

メキシコは、珈琲の国。
美味しい豆を育てている地域がたくさんある。
が、美味しい珈琲に出会うのは凄く難しい。
これは、美味しいの感覚が私たちとメキシコでは随分違うからなのか。

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【メキシコ流 珈琲の飲み方】
大きな鍋に、大量の珈琲豆と、大量の水を入れ、煮る。煮出し珈琲。
私たちは、豆を挽いてからドリップして飲むのが一般的、だから煮出し珈琲は、とにかく薄く感じてしまう。
でもそれに、シナモンとお砂糖を入れて飲むのがメキシコ流〈カフェ デ オジャ〉意外とクセに、、ならなかった。

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道端にテントを張ってお店を出しているおばちゃんの所で、メキシコ流ワンプレート晩ご飯を食べ、宿に帰って明日に備える。おばちゃんの作ってくれたご飯は、どれも美味しかった。
特にとうもろこしの粉で作ったトルティーヤにお好みの具材と、玉ねぎやパクチー、サルサを乗せたタコス、インゲン豆を塩で煮詰めたフリホーレス。
シンプルな料理が多いが、作ってくれるおばちゃんによって、本当に味が違うのが面白い。
外はダウンジャケットを着るほどの寒さにも関わらず、宿のシャワーは水だったが、ご飯は美味しかったし、明日が楽しみだったので、そんなにめげずに就寝。

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明日は何を探しに行くのやら。
それはまた、次のブログにて。

Hasta mañana


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