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それは、この子に障害があるから?

かれこれ10年前、娘と息子が通っていたのは『幼保園』でした。幼稚園と保育園がドッキングしたタイプの園で、赤ちゃんから年長児までがいるマンモス園だった。

歌ってる子、泣いている子、元気な子、やんちゃな子と、子どもたちの多くは自由を主成分としているために、誰かがとりわけ目立つということは少ない。

公共の場では目立ってしまう、発達障害の我が子たち。自然と多様な子どもたちの中に溶け込んでいました。深く関わらない限り『一体、この子たちのどこに障害があるのだろう』と思った親御さんたちも多かったことでしょう。

発達障害児は身体に障害があるわけではないために、見た目には分かりません。子どもによって障害特性も大きく異なります。実際に関わってみなければ、その子がどのようなことに困り感を抱えているのか分からないほどです。

けれども、障害による特性によって集団生活の中で不安や恐怖と戦い続けている。子どもには重すぎるほどの苦労を背負っています。我が子たちもそうで、とくに行事の参加は本当に苦しそうでした。

当時のインクルーシブ教育はまだまだ未整備で『参加出来るなら、おいでよ』という雰囲気がありました。みんなと同じ方法では行事に参加出来ない我が子たちは『休まれていいですよ』と、何度も促された。もちろん、良かれと思って配慮された言葉だったはずです。

ただ、それは本当のインクルーシブとは違うと思うんですよね。本来のインクルーシブの在り方とは、障害のある子が他の子たちと同じスタートラインに立てるようにすること。その方法をみんなで考え、その子たちが独自の在り方で同じ場に居ることが出来るよう環境を整えること。インクルーシブ教育を取り入れた現場でなくても、それが真の優しさだと思う。

障害があってもなくても『存在意義』は、みんなと同じでなくちゃならない。障害に限らない。男も女もLGDPQも独身も既婚も、どんな職種や人種でも生きている価値はみんなおなじであってほしい。

特別支援の中にいる子たちへの支援は『その子たちに向けた特別な配慮』として、その子たちのための活動とされがちです。だた、多様性を声にする昨今、その活動は一方通行であってはならないはず。

『色んな人がいるよね』といった声はよく耳にするようになりました。これからは、その先にある『その人たちと共存していくには?』を、みんなで考え紐解いていきたいものです。

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