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開発

仏教に「開発」という言葉があります。読み方は「かいはつ」ではなく「かいほつ」です。「かいほつ」は迷いを取り除く、自分の欲望を上手に制御したいという心を起こす、その心を他者にも起こさせるという自分の内面の成長を促すものです。

貪らず、偽らず、渇望せず、欺瞞なく、汚れと迷妄を除き去り、世間に囚われることなく 犀の角のように独り歩め(今枝由郎訳『新編スッタニパータ』32頁)

我々はついつい物がある豊かさや他人との比較に目を向けがちです。仏道修行は心静けさを大切にしています。

たとえお金が雨になって降り注いできたとしても、欲望は満足することがない。賢い人は「欲望とは、味わいのない楽しみだと知る。」(佐々木閑『ブッダ100の言葉』76頁)
満ち足りていないものは音をたてるが、満ち足りたものは静かである。愚者とは、水が半分しか入っていない瓶のようであり、賢者は満々と水をたたえた湖のようである。(佐々木閑『ブッダ 繊細な人の不安がおだやかに消える100言葉』180頁)

経済的豊かさよりも心豊かさをといたとも言えましょう。コロナ禍で先行きが見えない不安があると思います。心静かに今を見つめることが重要ではないでしょうか。

自坊では写経やテンプル・モーニングを行っています。写経は一字、一画を大切に写し、テンプル・モーニングでは読経、掃除を通して、自己を見つめる行為をしています。ぜひ遊びがてらに来てください。

しかし、寺に来なくてもできるというならできます。日々の生活の中で丁寧に掃除や家事を行うだけでも心は安定してきます。

そんなことを教えくれているのは、

です。日々を見直すためにも読んでみては?



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