人より20年遅れて人間関係を学ぶ
もし読んでいただける方がいるなら申し訳ないのですが、今回の記事は特に構成など考えずに、ツラツラと出てくる言葉をそのまま記していきます。今の自分の迷いや気持ちをそのまま記録していきたくて、です。
マッチングアプリでゲイの知り合いをつくる
ゲイであることを、自分ではっきりと認めて、伝えたい人にはカミングアウトして、自分の人生を取り戻す一年にすると決めた去年。
その中の一つのアクションが、ゲイのマッチングアプリに登録して、今まで一人もいなかったゲイの知り合いをつくる、ということでした。
マッチングアプリというと恋人探しがメインなのかもしれませんが、もちろんそういう人が見つかればラッキーという思いもありましたが、それよりもまずは近い境遇の、ゲイであることの喜怒哀楽を素直に共有できるような知り合いをつくりたいという思いがメ強かったです。
一番有名なサービスはどぎつい感じがしたので、もう少し穏やかなものを探した結果、同じように考える人がいるようで、趣味や嗜好などを登録してその情報なども加味しながらマッチングしていけるアプリがあったので、それに登録しました。
とはいえ、やはり顔や雰囲気でどうしても選んでいくことになるので、こちらとしてもどうしても好みで選別してしまうし、簡単に声はかからないしで、そんなに頻繁にいろんな人と会ったわけではありませんが、半年ぐらいで6人の方とお会いしました。
彼のアプローチの波に乗る
一回会って話して終わりの方もいれば、共通の話題があって友人のようになる方も。そんな中、昨年の秋、恋人のような関係性になる方と出会いました。
実際に会うのは、少しメッセージのやり取りを続けてみてからにしましょう、ということで、マッチングしてから1ヶ月後ぐらいになりました。
正直なところ顔はタイプで、メッセージのやり取りも無理なく続けられました。シャイな感じで、一人が結構好き、とのこと。共通点はサウナが好きなのと、歌が好きで、お互い宇多田ヒカルが好きなので、そんな話もしました。
いよいよリアルで会った日、ニット帽をかぶる姿がかわいらしかったのと、ゲイっぽさがあまりなかったことが、自分にとっては大事なポイントでした(こういう感覚が自分の中にあることを認識すると、自分が一番偏見あるのかなと思ってしまいます)。
はじめは、彼からのアプローチが積極的でした。シャイで一人が好きというのを忘れてしまうぐらい。初めて会ったのがたしか水曜日だったのですが、土曜日にまた会えませんか?と誘われて、土曜日会った時に明日行きつけのサウナに行くつもりだと伝えたら一緒に行きたいと。日曜日も一緒にサウナに行きました。
サウナの後は喫茶店に入って、ある地方のサウナがすごく良かったと伝えたら、一緒に行こうと。2ヶ月後に休みのタイミングが合うときに、一緒に行くことになりました。
そんな感じでトントン拍子で距離が縮まり、僕は彼の勢いについていく形で、身を任せていました。ある日、外で夕食を一緒にとった後、散歩しながら帰りました。途中にあった人気のないベンチで座って話していた時に、抱きつかれました。
男性とそういうことになるのは初めてのことだったので驚きが大きかったですし、いろんな感情が出てきて、ちょっと泣いたりもしてしまったのですが、それが初めての心が入った恋愛の始まりでした。
恋人なのか?
その後は抱き合ったり、キスしたりすることにもだんだんと慣れていって、たまに家に遊びに来るようにもなりました。
彼ばすごく感覚の鋭い人で、一緒に食事をしていても、周囲の会話をすごく気にしてしまうようで、あのテーブルの人たちがこんな話をしていたと言ってきます。記憶力も良くて、たわいもなく話したことをすごくよく覚えている。香水やルームフレグランスにもこだわりがある。そして、目の前の話している人の心の奥の感情も窺っている。だから僕が少し迷いながらYesの返事をしたりすると、それ本当は思ってないでしょ?とか、本当は興味ないでしょ?とか言ってくる感じです。
自分の意見はハッキリあるし、日々自分が選択していることに迷いはなさそうでした。日々迷っているし、どちらでも良いかな〜と優柔不断の自分にとって、そんなところにも惹かれました。
恋人なのか?ということは確認したことがありません。一度、深い関係になる前に、パートナーシップのようなものについてどう思っているか、という話をしたときに、あまりそういうことを深く考えたことはない、楽しく話せて、ご飯食べられて、たまに甘えられたらそれで良いと言っていて、そういう価値観なのかなと思っています。
出会って1ヶ月半ぐらい経った頃でしょうか、徐々にLINEの返事が淡白になっていくのを感じました。その頃はまだ週に1回は必ず会っていたのですが、以前のようにむこうから会いたいと言われることはほとんどなくなり、むしろこちらから今週会える?とか聞く感じに。
ある施設の管理をしている仕事で、土日休みではない。休みは不定期で、しかも職員が急遽休むことになったら穴埋めしなくてはいけないということで、なかなか会う時間を事前に決められなくなっていきました。
LINEで長文は好きじゃないとか、真面目な話をするのが恥ずかしくてあまり好きじゃないとか、色々と性格や嗜好のリアルなところも知っていくことになります。
価値観は押し付けたくない、でも我慢しすぎるのも辛い
会えば楽しく話すし、愛を確かめ合うような時間もあります。
桜やお祭りを見たり、一緒の時間を共有できている感覚もあります。
誕生日も近くて、お互いプレゼントを渡し合ったりもしました。
ただ、今はLINEは週に1-2回、だいたいこちらから送って、多くて二往復。会うのは彼の仕事が空きそうな時が前日ぐらいにわかって、2週間に一回程度。
正直最初の熱量は何だったんだろうと思います。
もう興味を失われているのかな、とも思うし、本性がはっきり出てくるぐらい落ち着いた付き合いになってるのかな、とも思うし。
自分の価値観を押し付けたくないという気持ちと、でも我慢ばかりするのも違う、という狭間で揺れています。
一度正直な気持ちを話したいなとは思うけど、忙しそうだし、LINEあまり好きじゃないんだろうし、会う時に嫌な態度をされるわけではないし(楽しく話してくれるし)、真面目な話は苦手だって言うし、いろんなことを考えると、彼の価値観の中でよくやってくれているのかな、という気にもなって、自分の気持ちをぶつけることに躊躇してしまいます。
もしかしたらASDぽい傾向があるのかと、ネットを色々調べて思ったりもします(安易な発言だったらごめんなさい)。
地獄に落ちないために自分の軸を
ただ、そろそろ一度ちゃんと話す時かもしれないです。
何かあっても地獄に落ちないように、自分の軸はしっかりしていたいなと思っています。
人間関係って本当に難しいですね。
多くの人はこれを思春期の頃や20代から経験しているのだと思うと、自分は20年遅れて対峙している。でも、自分では素晴らしい経験だと思っています。ゲイであることに向き合う以前、偽りの自分での上辺だけのコミュニケーションが多かった時代。ふとした時に気持ちが塞ぐことが増えていたあの頃と比べると、20年遅れなんて関係なくて、自分にはこのタイミングだったんだと思います。
本当に今になって人間関係を学んでいる。そのことで生まれる喜怒哀楽に感謝しながら、人生の歩みを進めていきたいと思っています。
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