広重の妻、加代

「承知しました」
愛する絵師の夫、
歌川広重が願うことを
どんなことでも
そう言って支えた妻加代。

ドラマ「広重ぶるう」は
売れない絵師だった広重が、
ベロ藍なる舶来絵の紺青色で
名所絵を描いたことで
成功していく物語である。

十返舎一九で人気となった
東海道五十三次を描いたが、
成功の本当は加代の内助の功。
火消しで生計を立てていた貧乏侍が
加代の質屋通いと励まし故のこと。

「つましく暮らすつまらぬお人。
それ故に描ける絵があるはず」
流行りの美人画でも役者絵でもない、
市井の民と暮らしのほんとうを描く。
夫のそのやさしい真実の目を妻、
加代は見抜いてすべてを捧げていた。
加代を演じる優香がけなげで可愛い。