主題と変奏

音楽評論を変革した
吉田秀和氏のデビュー本、
『主題と変奏』を古本で
読み始めた。

音楽雑誌などで書いた
著述が七編載っていたが、
1950年に発表した冒頭の
シューマンが秀逸である。

シューマンという音楽家が
どれほど素晴らしいのかを
ベートーヴェンやシューベルトを
例に出しながら説明する。

それも楽譜を入れ込んだ
論評は画期的である。
音楽の素養が高ければ
理解が一層深まっただろう。

とはいえ僕のような
ぼんくら音楽好きにも
シューマンの天才が
十分に納得できた。

「クライスレリアナ」や
「フレモスケ」のピアノソナタ、
ピアノ協奏曲イ短調が
頭の中で奏でられながら、
珠玉の音楽評論を読み進む。
その醍醐味は超絶だった!