「川に聞け」

川のほとりに佇み

せせらぎの音を聞く。

透明な水が流れ

ときどき白い波が立つ。


木漏れ日が水面に当たり

きらきらと耀く。

誰もいない静かな川に

そっと囁く。


「ぼくはこれから

どうしていけばいいですか?

ぼーっと生きていっても

いいものでしょうか?」


川に耳を傾ければ

自ずと答えがわかる。

ヘルマン・ヘッセの

『シッダールタ』の教えだ。


でも、僕には何も

川は教えてはくれない。

ニルヴァーナの境地に

ほど遠いからなのだろう。


いつか教えてくれる日が

来るのだろうか?

迷いなく生きていける

そんな日が訪れるのだろうか?