関取と歩く幸せ

大相撲が好きで

相撲部屋に遊びに行く。

朝の稽古などは

相撲好きが集まる。

力士たちの熱気で

湯気が立ちのぼる。


当たり稽古では

体のぶつかる音が

激しさを増す。

柱に向かって

黙々とてっぽうを行い、

際限なく四股を踏む。


稽古が終わるとちゃんこ。

おずおず待っていると

親方が食って行けと言う。

力士たちといただくのは

ことのほか美味しい。

幕下力士がよそってくれる。


午後は関取と外出、

丁髷の着流しの大男と

並んで歩くのが嬉しい。

大きな足に小さな雪駄。

川から風がそよぐと

鬢付け油のいい匂いがする。


力士は江戸の花形。

それは今も変わらない。

色気があって

強くて逞しい。

男の中の男。

一緒にいるだけで幸せだ。