人生最高の日々はこれから

歳をとればとるだけ

思い出が多くなる。

楽しい思い出、

甘酸っぱい思い出

苦い思い出もあるだろうが、

すべてが良き思い出となる。


ジャンルイとアンヌは

かつて激しい恋に落ちた。

痴呆が始まった彼は

彼女のことだけは鮮明だ。

彼の記憶を取り戻すには

彼女の力を借りるしかない。


アンヌはジャンルイのもとへ。

二人は53年ぶりに再開した。

「僕は君に似た人が好きだった」

彼は彼女が誰だかわからない。

その人から「愛してる」という

手紙をもらったことだけは覚えている。


「君は50年の間何をしてたんだ?」

「ずっと好きな人を思ってたの」

彼女は彼を二人の思い出の場所

ノルマンディーのホテルに連れて行く。

「50年前に予約をしていたの」

部屋に入ると記憶が徐々に蘇ってくる。


クロード・ルルーシュを一躍有名にした

「男と女」の53年後のストーリー。

フレンシス・レイのダバダバダの

音楽が一気に時を駆け上がらせてくれる。

こんなにもラブアフェアが素敵なのは

53年という歳月があったからこそ。


歳をとるのは決して悪くない。

それだけ素晴らしいことが待っている。

いつか歳をとったあなたにも僕にも

夢に描いてきた人が現れるかも知れない。

「人生最良の日々はまだ生きられていない」

ヴィクトル・ユーゴーの言葉を信じたい。