「愛と悲しみの果て」

デニスはアフリカが好きだった。
壮大な自然と自由な動物たち。
欧州人はそんなアフリカを
我が物にしようと侵略した。
土着民は土地や家を奪われ、
動物は家畜となっていく。

人間の尽きない所有欲、
金銭や肩書きへの欲望。
そんなものが何になると、
壮大なアフリカは
教えてくれているのに。
愚かな人間はわからない。

カレンは苦労して育てた
コーヒー園が火災となり、
すべてを失って遂にわかる。
「何もないのが好き。
こうやって生きるべきだった」
恋人デニスの生き方に納得した。

カレンは総領事に言った。
「アフリカのこの大地は
アフリカ人のものでしょう」
素朴で自由だったアフリカを
欧州の文明人が変えてしまった。
映画「愛と哀しみの果て」は
愛の終わりを告げると同時に、
地球の終わりも示唆している。