「Hello,my friend」

ユーミンこと松任谷由実のファンは多い。

僕は荒井由実時代の曲が好きだが、

KI銀次郎はすべての曲が好きなようだ。

アメフトで日本一になった大きな男は

紆余曲折あってタクシードライバーになった。


あるとき、なんと彼のタクシーに

大好きなユーミンが乗り込んできた。

銀ちゃんの驚きようが目に浮かぶ。

彼は彼女の承諾を得てから話しかけた。

初めに「ユーミン、ありがとう」と言った。


声に出すと、なぜか思わず涙が出た。

銀次郎の青春時代の恋愛シーンに

ユーミンの曲が欠かせなかったからだ。

いろいろな話をし、車を降りるときに

暖かい言葉をかけてくれたそうだ。


この話を聞きながら僕の頭の中では

ユーミンの歌声が聞こえだした。

「Hello,my friend」が流れてきたのだ。

それは日本語になって響いてもいた。

「こんにちは、わたしの友達」と。


サビの部分が強く胸を打つ。

♬ 淋しくて淋しくて君のこと想うよ

離れても胸の奥の友達でいさせて ♬

♬ 悲しくて悲しくて君のこと想うよ

もう二度と会えなくても友達と呼ばせて ♬


僕はユーミンの「Hello,my friend」を聞いて

かけがえのない友達、KI銀次郎を想っていたのだ。