オコナーとアイリッシュ

フランク・オコナーの
短編集を読むことで
アイルランドを知った。
悲惨な独立戦争や
宗教に縛られた生活、
温暖で過ごしやすい気候、
漁師たちの素朴な生活、
本物のアイリッシュウヰスキーなど。

フランク・オコナーの短編は
アイルランドの人と文化に
深く入り込んで物語る。
海や草原などの自然の情景と
人々の心の陰影を浮き彫りにし、
じわったと静かに語りかける。
知らず知らずのうちに
オコナーの虜になっている。

昔のアイリッシュウヰスキーは
ヒースを原料とした
ピート香の強いものだったという。
今のブッシュミルズやジェイムソン
とはまったく異なるものだった。
しかしそのことに目覚めた醸造家が
昔のウヰスキーを造りだした。
カネマラやブラックピッツである。

今夜はこの本物のルーツを味わい、
アイリッシュの人や風景を頭に描き、
オコナーの短編を思い出すことにしよう。