ミラボー橋

アポリネールと言えば「Le Pont Mirabeauミラボー橋」が有名です。
フランス詩の講座で学び、自分なりに訳したものを今日の詩として掲載します。


ミラボー橋

ミラボー橋の下をセーヌは流れる
そして私たちの愛
思い出してみるべきなのか
喜びがいつも痛みの後に訪れたことを

夜が訪れ、時を告げたとしても
日々は過ぎゆき、私は止まる

手を取り合い、顔を見合わせ
私たちの腕の橋の下で
永遠の眼差しに疲れてしまった
波紋が流れ過ぎていっても

夜が訪れ、時を告げたとしても
日々は過ぎゆき、私は止まる

愛はこの水の流れのように逝ってしまう
ゆっくりと進む人生のように
また激しく強烈な希望のように
愛は過ぎゆきてしまう

夜が訪れ、時を告げたとしても
日々は過ぎゆき、私は止まる

日々が過ぎても、週が過ぎても
過ぎ去った時や
私たちの愛は二度と戻らない
ミラボー橋の下をセーヌは流れる

夜が訪れ、時を告げたとしても
日々は過ぎゆき、私は止まる

(本条寺京太郎訳)