柊木犀

「ねえ、散歩に行くけど、行く?」
「いいけど、どこに行くの?」
「M大学の隅に花が咲いてるの?」
「へえーっ、どんな花なの?」

「何かとてもいい匂いがする?」
「銀木犀か柊木犀だと思うの」
「あ、この白い花?たくさん咲いてる」
「金木犀に似てるけど白いでしょう」

「花が白いから銀木犀かな?」
「葉っぱがギザギザでしょう?」
「確かに、花も金木犀より大きいね」
「だからね、柊木犀だと思うのよ」

「スマホの写真で比べてみよう」
「葉に棘があるのが柊木犀だって」
「鋭い葉は魔除けになるってさ」
「それでいい香りがするなんて最高」

「柊木犀は金木犀と柊の雑種だって」
「それにしても小さくて綺麗な花だね」
「香りがフルーティでとっても甘いわ」
「涼しくなった秋にいい花を見たね」