水を大切にしないなんて

僕が子供の頃は
水は綺麗で美味しく
豊富にあった。
それだけに水の
ありがたみを感じることは
あまりなかったかも知れない。
水はいくらでも飲めた。

だからロンドンに住む
叔母の家に行ったとき
水を買っていたことに驚いた。
パリに行ったときも
人々は水を買っていた。
僕は日本に生まれて
本当に良かったと思った。

ところが今はどうだろう。
東京で水を買っている。
美味しくないだけでなく、
体を心配してのことだ。
水の美味しかった那須でも
原子力発電の事故以来、
水を買うようになった。

後輩の映画監督佐藤真は
「阿賀に生きる」を撮った。
工場の廃液で川が汚染され
平和な村の人々は病になった。
熊本の水俣病もそうだったが、
見本人が日本の水を汚すなんて、
冒涜以外の何ものでもない。

水よりも大切なものなど
この世になにひとつない。
綺麗な水に恵まれた日本を
どんなことがあっても
汚してはならない。
日本に生まれたことに感謝して
水を大切にして生きていきたい。