椿の花

森鴎外ゆかりの宿、
水月旅館を訪れ、
美しい庭を見た。

椿が咲いていた。
竹の雪囲いが
椿を覆っていた。

雪が降っても
傘で守って
倒れないように。

愛子さんが
一緒だったのに
僕は余計なことを言った。

椿の花は
散るときに
首から落ちるんです。

言った途端、
はっとした。
とても後悔した。

愛子さんは
食道癌を
患っていたのだ。