「ゾディアック」

その殺人事件は1968年、
カリフォルニアで起きた。
クリスマスコンサートに向かう
高校生のカップルが
何者かに射殺されたのだ。

その翌年の1969年の夏、
再びカップルが襲われた。
高校生が殺された場所の
すぐ近くで発砲された。
男性だけが生き残った。

新聞社に手紙が届き、
暗号文が同封されていた。
二件の犯行は自分であり、
暗号文を解読できければ
大量殺人を犯すと書かれていた。

新聞に掲載された暗号文を
研究職の夫婦が解読し、
危うく大惨事を逃れた。
新たな手紙が届き、犯人は
ゾディアックと名乗った。

この一カ月後に再び
近くで殺人事件が起きた。
湖でピクニックをしていた
カップルがナイフで刺された。
ここでも男だけが生き延びた。

その二週間後にタクシーの
運転手が射殺される。
ゾディアックから手紙が届き、
血染めのシャツの切れ端とともに
自分の犯行と書かれていた。

次々に起こる連続殺人。
カリフォルニアの人たちを
恐怖に陥れた事件。
証拠品が多いにもかかわらず、
犯人は挙がることはなかった。

重要参考人も挙がったが、
指紋や筆跡が違っていた。
事件は忘れらていくが、
新聞社に勤めていた漫画家が
この事件を追いかけていく。

デヴィッド・フィンチャー監督が
この事件をサスペンス映画にした。
犯人を突き止めようと奮闘する
多くの男たちを克明に描く。
犯人とのやりとりがとても恐ろしい。

暇つぶしで見始めた映画だったが
ぐいぐいのめり込んでしまった。
ドキュメンタリーかと思わせる
迫真の展開に心臓の鼓動が止まらない。
息もつかせぬ戦慄の映画だった。