ひとりぼっちの散歩

家にいるときは健康のために

近所を1時間ほど散歩する。

綺麗な家の玄関や庭の植木鉢に

咲いている花々を見るのは楽しい。


犬を散歩させている人も多い。

ラブラドールやゴールデンなど

大型犬を連れている人もいるが

小さなチワワやヨークシャもいる。


よく出会うのがトイプードルだ。

白や黒もいるがレッドが多い。

ある日のレッドにドキッとした。

あまりに似ていたからだ。


18年間、僕を癒やしてくれた

プーちゃんこと、風右衛門。

一昨年のクリスマスの早朝、

天寿を全うして虹の橋を渡った。


プーちゃんによく似たレッドは

電柱に足を上げておしっこした後、

見つめていた僕に気がついて

つかつか寄ってきて僕を見上げた。


愛らしい表情に胸が締め付けられた。

頭をなでると嬉しそうにしている。

ちょうど良い小さな大きさで

毛艶も綺麗な濃いレッドだった。


散歩はいつもプーちゃんが一緒だった。

通りすがりの人が口々に「可愛い」と言う

ハンサムで愛嬌のある自慢のトイプー。

でも、もういない。この世にいないのだ。


僕の散歩はこれからもひとりぼっちだ。