「忘れられない君の顔」

とつとつと歌う

ジェームズ・テイラー。

彼の歌はどの歌にもありあまる

やさしさに満ちているけれど

「I’ve grown accustomed to her face

(忘れられない君の顔)」、

この歌は特に好きで何度も聴いてしまう。


「マイフェアレディ」で有名な曲。

オードリ・ヘップバーン演ずる

コックニー訛りの花売り娘

イライザがとても可愛いミュージカル。

「踊り明かそう」や「君住む街角で」

「あなたなしでは」の歌もいいけれど

「忘れられない君の顔」もいい。


映画ではレックス・ハリソンが歌うが、

ディーン・マーチンやトニー・ベネット

ナット・キングコールのも素晴らしく、

ピアノではオスカーピーターソン、

トランペットはチェット・ベーカー、

ギターはウェス・モンゴメリーなども

この曲が好きでカバーしている。


珠玉のアメリカンスタンダート。

どのシンガーもミュージシャンも

自分の個性を発揮していて

どれも聴き惚れてしまうけれど、

テイラーのさりげない歌い方は

草原でそよ風に立つ可憐な女性を

彷彿とさせる素朴な歌となっている。


「白い麻のワンピースを着ている美しい人、

彼女の横顔を僕は忘れられないんだ」

僕にはそんなふうに聞こえる。