「聴かせてよ 愛の言葉を」

シュリエンヌ・ボヤイエの

うっとりするような歌声を聴いた。

100年も前のレコーディング。

CDでもレコードのぶつぶつ奏でる

音が聞こえる味わい深いものだ。


聴いた歌のタイトルは

「聴かせてよ 愛の言葉を」

Parlez-moi d’amourだ。

——嘘でも囁いて欲しい。

恋に傷ついた胸も癒やされるーー


彼女のこの歌を戦時中の最中、

軍国少年だった武満徹が

ある外国兵士から聞かされる。

その瞬間に彼は胸を打たれ

音楽家になることを目指すのだ。


素晴らしい歌はそれだけで

人の一生を変えてしまう

凄い力が秘められている。

特に愛の歌は争いのない

平和な暮らしをもたらすのだ。


今も多くの歌手がカバーする

永遠不滅のシャンソン。

「聴かせてよ 愛の言葉を」

ぼくも甘く切なく歌って

愛する人に聴かせたい。