冬の霜
いつのときにか、
冬に綴った詩がでてきた。
「冬の霜」と題する
寒く冷たい心の詩だった。
いつまた脳梗塞を発症して
倒れてしまうかも知れないと
そんなことをうつらうつら、
考えているときだったのかも知れない。
冬の霜
わたしは寒い冬の霜。
畑の土を真っ白に凍らせる。
アスファルトの道も白く凍らせる。
人の心にもヒュッと忍び込み、冷たく凍らせる。
冷たくなった心。
冷えてしまった心。
そんな心が集まって通勤電車に乗り込む。
満員電車だからすぐに温まるはずなのに、
なぜだか益々冷え込んでしまう。
冷たい心が肉体を冷やし、頭脳も凍らせる。
それが都会。東京というところ。
人の心が通い合う
温かいところで暮らしたい。
昔の東京には近所づきあいがあり
助け合って生きていた。
「ALWAYS三丁目の夕日」のような。
頑固おやじがいて、
世話好きのおばちゃんがいて、
やさしい兄ちゃんや姉ちゃんがいた。
東京も霜など溶ける温かい街だった。