「去年マリエンバードで」

恵比寿ガーデンシネマに

映画を見に行った。

「去年マリエンバードで」。

男女の恋愛を描いている

とても難解な物語だった。


監督はアラン・レネ。

脚本アラン・ロブ・グリエ。

ヌーヴェルヴァーグは

意味を理解するのではなく、

感覚を味わうものなのだろう。


モノクロの映像なのに

登場人物すべてが着る

ココ・シャネルの衣装が

気品溢れる雰囲気を

香り豊かに漂わせていた。


ヴェネチア国際映画祭で

金獅子賞を受賞していた。

見終わった後、痺れるような

感情が体全体を包み込み、

しばし席を立てなかった。


帰り際の電車の中でも

家に戻ったときも

そして数ヶ月経った今も

心の底にしこりのように

映像が沈殿している。