女性指揮者、TAR

ケイト・ブランシェットの
迫真の演技が光る。
リディア・ターという
女性指揮者を演じた、
その指揮ぶりが凄い!

伝統と威厳に満ちた
ベルリンフィル。
常任指揮者として
素晴らしい音色を
楽団員に奏でさせる。

本物の指揮者以上の
この指揮ぶりは
どれほど稽古すれば
可能なのだろうか。
天才が天才を演じる。

クラシックの世界では
ソロの女性演奏者は多い。
しかし女性指揮者となると
世界中を見渡しても
ほとんどいない。

世間の奇異の視線、
楽団員たちとの軋轢、
家庭や恋愛の問題、
スキャンダル勃発で
ターの神経は狂う。

でもそれを乗り越えて
マーラーの5番を
振り終えて欲しかった。
彼女が暴行を働いた時点で、
彼女の人生も映画自体も
終わってしまった。
ターにも観る者にも
幸せを与えて欲しかった。