田舎の民と夜の東京~国会議事堂、皇居外苑編~
国会議事堂前駅についた私だが、出口を間違えて国会議事堂までしばらく歩くことになってしまった。
歩いている人も少なければ、車も少なかった。
国会議事堂周辺には、警官と私しかいないようだった。
私は国会議事堂が夜間はライトアップされていると思っていたのに、
そこにあったのは、月明かりに照らされた国会議事堂あるのみだった。
さらに、国会議事堂を正面から撮れるスポットがないのである。
ひと通り国会議事堂を眺めた後、私は皇居の方へ向かうことにした。
皇居外苑につくと、辺りはもう真っ暗なのに、ランニングをしている人がたくさんいた。
当時の私は気づかなかったが、私が通ったところは桜田門だったようだ。
今思い返しても、立て看板すらなかった気がする。
浅草とは違って、同性同士の二人組や一人で歩く人ばかりで、私と同じように沈んだ空気に満ちていた。
桜田門を過ぎて、皇居前広場につくと、そこは真っ暗でだだっ広い空間が広がっていた。
皇居外苑の外には背の高いビルが建ち並んでいるから、すこし不思議な空間に感じる。
中央の方に向かって歩いてみるが、皇居の方をみても、高い樹木に囲まれていて、真っ暗で何もみえない。
圧倒的虚無があるのみである。
正門に続くところまで行くと、私の周りだけめちゃくちゃに明るくなり、サーチライトで照らされているのかと思った。
何かあるわけでもないから、大人しく離れることにした。
皇居前広場からでて、まっすぐ行くと東京駅がある。
行幸通りの皇居側では、スケボーをやってる人たちがたくさんいた。
一人で通るのは少しドキドキしていたが、何事もなく通過できた。
東京駅側にくると、今度は数人組で飲んでいる人たちがたくさんいた。
東京駅前にくると、観光客らしき人たちも増えた。
ホテルに帰る前、お土産を買おうかと、お店を見て回ろうとした。
ちょうど1軒目に入ったとき、続々とお店のシャッターが下り始めた。
帰りの電車に乗った私は、もちろん手ぶらだった。
田舎の民と夜の東京 終わり