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詩置き場

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思いつくまま描いた詩を置いてるところ。
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失われた眼窩の煌めきに

止まる電車の
線路の先に散る艶々しさを

集められた袋の向こうから
世界を見上げている眼球の煌めきを

あなたは知るだろうか

サイレンと悲鳴と
遅延に苛立つ舌打ちと
生のしがらみから放たれ死出の地獄に発つ
それはあまりにも自由で

虚構の安寧を描き
平和を嘯きながら牽制をし合い
いつ崩れるかわからない地盤の上で
作り笑いの顔写真をたたえる

あなたとは無縁の境地だ

例え僕が死んだとて
世界は何

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霊廟

冷たさを錯覚する床に寝そべり
最も荘厳たる姿で迎えにくる
僕の愛しい希死念慮を待つ

健常には成れず
しかし狂人にも相成れず
ずるずると堕ち果てて
すっぽりと嵌まった此処は
僕の聖なる霊廟

死のみが僕を許し
死のみが僕を支え
死のみが僕を禊ぐ

ただ それだけ

青瘀相をたたえた鏡の内と
手を取り合って朽ちる
そんな妄想でまた一晩
無駄に生き永らえる

生まれない日を

今日もただ生を浪費してしまった

夕焼けが憎いほど眩しい

響く下校する声

草いきれと思い出

泣けない僕の代わりに

空よ泣け

相反する思考と

同調する結論を

内包して苦しむ脳髄を笑え

総論として自死を選ぶ僕を止めるな



僕を殺したのは世界だ

僕を殺したのはお前だ

弱くてごめんなさい

ちゃんと生まれられなくてごめんなさい

強く生きられなくてごめんなさい

ごめんなさい

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