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たぶん、旅に話はつきもので

電車を乗り換えるために降りた。各駅停車が来るのを待っていた。

夏休みシーズンだし、人手も少し戻ってきている気がする。家族連れも見かけた。目の前に座ってた最年少の子が「これからスゴイの見に行くの!」と、マスク向こうの、にっこにこ笑顔で教えてくれた。

あれだけ楽しみだったから、大興奮で、帰る頃には疲れて寝ちゃうかもね。小さい頃、帰る時までの体力とかペース配分とか考えてなくて、気がついたら家だったから。今は体力温存が基本になったけど、全力ではしゃいで楽しかった気がする。また、どこか行くのも良いかもしれない。

ぼーっと電車を待っていたら、話しかけられた。

「すみません、これ乗ったら行けますか?」って、たどたどしさが残る日本語、ガイドブックを持ってる観光客さんたちだった。

またか、また私か。さっき見かけた家族連れも、他の人も、さっきの特急に乗って居なくなっちゃったから。お連れさんで喋っている時は何語?英語じゃない気がする。仮に英語だとしても、すぐに出てこない。自信もない、どうしよう。Googleで翻訳するのも、打ち込むのが遅い。

こんな時どうしたらいいかを、教えてもらったことがある。

日本語で喋らずに、やさしい日本語にしたらいいよと。英語とか、自分でも意味が通じるか不安になるくらいなら、そのまま日本語の方がいいよって。

目的地を聞けば、私が乗る各駅停車の終点だった。途中で降りなければ大丈夫。ややこしい乗り換えも無い。次の電車で最後まで乗ってたら着きますって、伝われば良い。

1分もしない内に、目的の電車がやって来た。

「これに乗ります!」これだよって指差しもして。

お連れさんも全員乗って出発。

乗った車両は殆ど人がいなかった。

どれだけ乗るかを言ってなかったから、一つ目の駅で降りようとした。慌てて、「ここじゃないよ」って止めて、どう説明しようかと上を見たとき、ちょうど路線図があった。

今いる駅がここ、降りるのはここ、ラストだよ。 英語表記の駅名を指で突っついて、大丈夫かを確認しながら、私が降りる駅になるまで、何度も繰り返した。

私は途中で降りたから、あの人達は無事に着いたのか知らない。でも着いててほしいな。近くにいる人に声をかけられるなら、また迷ってもどうにかできそうだから大丈夫かな。

とりあえず、皆さん、いい旅を〜。


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