ポニョのオッパイ
突然ですが、皆さんはオッパイは好きですか?
僕は好きです!
三度の飯と同じくらいオッパイが好きです‼︎
へへっ。
拉麺、焼肉、魚介類、フレンチetc…。それに負けず劣らずオッパイが好きです‼︎
食べることを嫌う人間がこの世界に存在するんでしょうか?
そ•れ•とオッパイ!
自分は食べる事が好きです。
食べる事は『生きる』ことー。
そう考える自分ですが、自ら進んで食べないモノもあります。
それは『果物』です。
幼少の頃から、果物は食べ物という認識はありませんでした。食べられない訳じゃないんです。身体が果物を欲していないんです。
メロンが甘い?何を言ってるんです!全然甘くないじゃないですかっ!!
蜜柑はあの白い繊維?が苦手ですし、苺は形が歪なものほど恐怖を覚えます。バナナなんかねちゃねちゃで気持ちが悪いです。
ドリアン?ヤめろっ‼︎
『本能』による拒絶。
『本能的思考』による肉体と精神の支配。
この人間社会において『本能』に『理性』が負けてしまったら…
どうなるんでしょう?
もし、僕の目の前に『オッパイ』が現れたなら…。
『時』『場所』『状況』それらが自分に都合よく噛み合ってしまうとー、『理性』を保つのは難しいようです。
たとえー、
…四十路のおじさんであっても。
ー裏話ー
劇団天体望遠鏡による公演『賛成の天体2021』その舞台を創り上げる為、日夜稽古に心血を注ぎ明け暮れた『オッパイが大好きな男』の物語である…。
『賛成の天体』稽古が始まり、数ヶ月。コロナ禍の心配は相変わらずではあったが、順調に稽古は進み、通し稽古が出来る様にまでなった頃。
俺はある事に『躊躇』を感じていた。
この物語には、冒頭でサカナの子である〝ポニョ〟を運び出すシーンがあるのだが、ポニョの背後から手を回すと、俺の手の平がポニョの〝オッパイ〟にちょ〜どフィットする〝0距離〟に位置していたのだ。
日々の稽古の中で、ふとそんな事に気づいてしまうと、中々その事柄を頭から払拭する事が出来なくなる。
ポニョはサカナの子でまだ〝子供〟であるが、
その役を演ずるのは〝成人〟である。
うら若き乙女達。
『小原嬢』と『琳子姫』がその大役を務める。
無論、俺はオッパイを鷲掴みもしなければ、触れてもいない。
彼女達に嫌われたくない一心で、日々の稽古に臨んでいた。
…多分。触ってないと思う。そう信じたい。
やはり意識するなという方が無理である。
今回の舞台はダブルキャスト。早い段階から通し稽古をする事となり、1日の稽古で通しを2回。小原嬢と琳子姫と1回づつの通し。したがって俺の疲労も2倍となるのだが、
嬉しいことにオッパイもまた人を代えて2倍楽しめるのである。
『稽古120分で花びら2回転…フフっ』
冗談めいた邪まな思考が頭をついて離れなかった。
オッパイを前にして『理性』を維持するのは難しい。
だって好きなんだもの!
そんなある日、名案が浮かぶ。
ポニョを運ぶ時、ポニョの脚を持ち上げるのはヒロである。ならばヒロ役の美青年淳也と俺のポジションをチェンジするのはどうだろうかと?
オッパイから少し離れてしまうが、舞台を成功させるためには自分の邪念を払わなければならない。それに四十路の俺なんかより体力的にも年齢的にも全然、美青年淳也が良いだろうと自分は判断した。
その旨を四十路の腰痛を理由にして皆んなに伝えた。
…つもりだった。
どうやら俺の意図が違う形に捉えられ伝わってしまう。
小原嬢が自分の体重を気にするようになる。
俺は慌てて弁解する。
オッパイの事は黙ったままだが…。
伝わらなかった…。
四十路『ごめんなさい‼︎』
冷静に考えれば『オッパイ』という理由を隠してしまえば、女性側からすれば問題は自分にあると考えてしまうだろう。
失敗した。
俺は無駄に小原嬢を傷付けてしまったのだ。
以後、小原嬢は稽古後の飯に誘っても来ず、来てもほぼ食べずにいた。
彼女の心に影を落としたかもしれないとー、
深く反省する俺であったが、本番までの半年間、彼女は舞台を成功に近づける為、様々なことを率先して努めてくれた。
健気にも努力しているその姿ー、
そんな小原嬢を近くでずっと見ていて
俺は益々ー、
『オッパイ』として見てしまっていた!!!
ポニョとして見れないよ!だってすごい頑張り屋さんの良い子なんだもんっ‼︎
…。
四十路『やーーーん!ごめんなさーーーい‼︎』
俺はオッパイに疲れていた…。
オッパイで頭がいっぱいオッパイだった。
思考回路はショート寸前…
ー10月22日、本番前日の思考回路であるー
その夜、あの体験をする事になるー。
(この体験は別の回にて)
『原罪』の話をご存知だろうか?
善悪の知識の木の実、禁断の果実。この果実をアダムとイヴは食べ、知恵を身につけてしまい
『恥じらい』を覚えてしまう。
アダムはイヴが勧めたから食べたと
神に言い訳をした。
イヴは蛇に勧められて食べたと
神に言い訳をした。
他者に責任を押し付け、自分は助かろうとする…なんて見苦しい。
俺がアダムだったら果物は食わなかったのに…
『羞恥の心』
旧約聖書に書かれるアダムとイヴによる、禁断の果実を口にした行為により生まれ出た
最初の罪。
始まりの人類、アダムとイヴ。
その2人のお陰で、俺はその『羞恥の心』を拭えないまま、舞台の上に立されたー。
いや、
俺にはもう、
恥じらう感情はー、無かったのかも知れない。
『時』は本番
『場所』は舞台中央
『状況』は気を失ったポニョの姿…
そう、『彼女』はポニョを演じ続けなければならないのだ…。
…。
舞台中央にスポットライトが当たる。
彼女は冒頭、ポニョの台詞を後に気を失う。
俺は彼女の、上半身を起こし後ろから手を伸ばす…。
俺は淡々と台詞を口にする
彼女は気を失ったままだ
いや…、
たとえ意識があっても、
『状況』がそれを許さない…
彼女の後ろから手を忍ばせる…
オッパイとの距離
〝0距離〟
物語は動き出す…
ハエ
『見つけた〜、覚悟しろ〜』
アニキ、ヒロ
『せーの、逃げろーーっ!!』
続くー
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