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スピッツ1文字トラベラー

代表曲に「ロビンソン」「チェリー」などがある国民的ロックバンドSpitzなのですが、発売当時言われたようにロビンソンというのがバンド名でスピッツってのが曲名?などと言われるほどなぜその曲でそのタイトル?といった現象がよく起きます笑
確かに歌詞の中でロビンソンともチェリーとも言わないのでなぜ?が産まれた訳ですね笑

スピッツのタイトルには遊び心を含め
なぜ?が沢山あるのです。
そして今回目をつけたのは1文字タイトル曲です。

シングルになっている「渚」「楓」をはじめ
隠れた名曲として名高い「魚」「桃」など
アルファベット1文字だと「Y」や「P」など
とにかくスピッツの1文字タイトル曲にはハズレがない!

調べるとタイトルが1文字である曲は全部で9曲。
時代順に追っていこうと思う。

「涙」 1992 4/25 release
mini Album
オーロラになれなかった人たちのために 収録

スピッツの1文字タイトル曲、歴史の1ページ目は
バンドサウンドではなくストリングスメインのミニ・アルバムに収録されたこの曲です。
マサムネさん以外の3人に関しては演奏場面はなくクレジットに記載もありません。
デビュー作の「スピッツ」2作目の「名前をつけてやる」は比較的ゴリゴリにロックしてるから緩急に驚いたファンは多いのではと思う。まだブレイク前のスピッツなりの試行錯誤が見られる作品でもあり色々な可能性を秘めていることが感じ取れます。

デビューから30年経った今、長い目で見ると
この緩急こそがスピッツの強みなんですよね。

 「Y」1995 9/20 release
6th Album 
ハチミツ 収録

1文字タイトルな上にいきなりの歌始まり!
歌始まり曲を特集してみても面白そうなスピッツではありますが…

この曲は優しさの中にとても強さがある曲で
繊細な面と強い面がお互いを邪魔しない程度に主張していて、何とも心地好い。逃げ出したくなるような日々や大変な毎日に対して声を大きく高らかに頑張れ!とストレートな言葉で投げかけなくても、そっと心に寄り添って触れるか触れないか程度の気持ちいい部分をついたスピッツなりのマサムネさんなりの応援ソングなんだと捉えてる。

ちなみに歌詞に出てくるミラージュとは蜃気楼とのことだそうです。はて?蜃気楼とは?という方はそちらもお調べください笑

「渚」1996 10/23 release 
7th Album
インディゴ地平線 収録

最近では車のCMソングとしてお茶の間に流れたり、スピッツとしてオリコンシングルチャート初登場1位を記録した名曲。
繰り返し鳴っているシーケンスが胸を掴んで
から離さずにそのまま曲が流れるように過ぎる。
名イントロがあるのであれば名アウトロに挙げたい。

同時にベースラインもドラムパターンもスピッツのレベルの高さが顕著に現れていてそこも注目すべきポイントなのですっ!
16ビートで進む崎山さんのドラム、本人は至って涼しそうな顔で叩いていますがテクニックだったりバリエーションであったりその全てにおいて☆5である。渚では見られないが崎山さんはコーラスも担当しており、ハモリながら叩いてるなんてもう顔があがりません笑

「楓」1998 3/25 release
8th Album 
フェイクファー 収録

〜言わずもがな知られたスピッツの代表曲〜
最近では上白石萌音さんがCMで歌われていたり
様々なアーティストにカバーされ愛される傑作。 

マサムネさんがご自身のラジオでよく仰る美メロとはまさにこういう曲を指すよなぁと惚れ惚れしてしまいます。コーラスワークを含め儚くも美しい旋律を歌い上げるロングトーンが一気にこの曲の方向性を決め展開していく。

個人的には最近のLIVEでよくCメロから間奏あけてラスサビの頭、マサムネさんのギターと声だけになる小節部分が凄く好きです。簡単に言えばマサムネさんの声は日本が誇る宝だということです笑

「今」2000 7/26 release
9th Album 
ハヤブサ 収録

激動の90年を過ごしたスピッツの2000年代を迎えるべく鳴らすロックチューン。がしかしそれで終わらないのがスピッツ、追うようなコーラスワークを見せ、2分に満たないスピードで駆けていく。間奏のソロに関しても今までにはない新しさが垣間見え、まさにバンドとしての「今」を投影した作品になっている。
この頃追い求めていたスピッツなりのロックの熱が20年経った今でも醒めずに消えないのである。

スピッツがロックバンドとして未だに音楽界の前線を走っているうえで語らなければいけないのはリズム隊のクオリティーの高さなのです。
こんなに各パートの各々の能力が高いバンドを見た事がない…それでいて今でも上手くなろうと練習していると仰っていて空いた口が塞がらないです笑

「魚」2004 3/17 release
Special Album 
色々衣 収録

絶妙な哀愁さを含んで奏でる音色が綺麗で、勿論
アルペジオも含めてイントロのリフもテツヤさんらしさに溢れている。心地よい音色を聴くだけで想像の世界に絵が描き足されていく。なのにどこか重苦しく感じるのはマサムネさんの歌詞であろう。
どこかグレーがかっていてジャンルとして何処にも該当しない感じがまさにスピッツワールドなのかもしれない。

この曲になんていうタイトルをつけるか、まさに名前をつけてやるなんて話ですがどの曲も本当に唯一無二のタイトルをつけるなとまじまじと思う。
なぜ?と思うがこの曲はもう「魚」でしかない笑
例えそこに深い意味合いやメッセージがなくても
代替案なんてなくてこれが答えな気がします。

「桃」2007 10/10 release
12th Album 
さざなみCD 収録

キラキラしたメロディや音作りの中で曲のテーマは僕にとって凄く考えさせられてソングライティングの部分において尊敬できるものの集大成のようなものです。

僕は「幸せ」という言葉がメロディのついた歌詞の中では1番同じ解釈をするのが難しい、いわば十人十色な言葉だと思っています。ある人にとっては幸せだがその裏でそれを不幸せだと感じる人もいる。だから「普通」「当たり前」とか「幸せ」って言葉を届けるのはとても難しいと思う。
前置詞に「それぞれ」ではなくて「よれよれ」という言葉がマサムネさんらしくてとても好き。
自分が幸せだと思える瞬間を他人にバカにされたとしても、例えばそれがマイノリティな幸せだったとしても、胸を張って生きていける強い意志が持てる曲です。

P2007 10/10 release
12th Album 
さざなみCD 収録

この曲はほとんどマサムネさんの歌とエレピとストリングスという極めて音数は少ないまま展開されていて、この手の曲を聴くとほんとに歌が響くからこそ成立する聴かせ方だなぁと感心してしまう。

でも実は1番推したいのは2番以降のテツヤさんのギターなのです…大人しいスペースに歪んだギターを入れる事は容易くないし少しでも顔を出しすぎると曲の世界観な雰囲気は壊れてしまう。だがそこでいい距離感の詰め方をしてくるギター。ここら辺はやはりベテランとしての域を感じ、手数の多さ、経験数を感じます。勿論、経験と実力が重ね合わさらないと成立しないものなんですけどね。

「漣」2007 10/10 release
12th Album 
さざなみCD 収録

CDタイトルは平仮名表記でありますが
曲タイトルは1文字という。
歌詞の中に鳥が出てくるがスピッツ(犬)であるのに鳥であったり猫の方が登場回数は多い気がします笑
得意のアルペジオからソロにかけての爆発感の裏でそれでもテツヤさんはアルペジオを弾いている。ブレない、これがスピッツがスピッツでいられる所以なのだ。聴くだけでスピッツだ!とわかるようなパワーを持っているバンドが日本にはどれだけいるだろうか?様々な若手アーティストに多大な影響を与えたのか?考えるより聴いた方が答えが出る。

限られた人間にしか見れない領域へ更に突っ走るスピッツなのであった。


総括

個人的にはもっと多いイメージでした笑
そして以外にも1文字タイトル曲はもう15年程出ていないという事も意外な発見でした笑
スピッツの新曲を追うにあたってタイトルを気にして待つのも面白いかも知れませんね笑


新しいアルバムが出る時
タイトルが先にあると
どんな曲調のなのか
イメージしがち。

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