見出し画像

”あなたにぴったりの1本”との、出会いを創出するためにーー。ビール専門家とデータサイエンティストが手を組んだ、クラフトビールの定期便サービス「Homebr」

近年、ますます人気が高まりを見せているクラフトビール。その一方で、自分はこんなクラフトビールが好きと分かっている人もそれ程多くはいないのではないでしょうか。

そのような課題を解決するためにクラフトビールの定期便サービス「Homebr」を立ち上げた織田さん、徳永さんのお二人に、サービス立ち上げの背景を伺いました。

自分の好みに合わせたクラフトビールが届く「Homebr」


ーーまずは、Homebrがどのようなサービスか教えていただけますか?

織田:Homebrは、ユーザーそれぞれの好みに合ったクラフトビールが毎月届く、「クラフトビールの定期便」サービスです。

クラフトビールが好き、という人は世の中に多くいらっしいますが、「クラフトビール」といってもたくさんの種類があるので、自分の好きなクラフトビールをうまく選ぶことができないという人も多いのではないかと感じています。

Homebrは、そんな方々のために、ビール専門家の知見とデータサイエンスを用いて、日本全国約600種類程度のクラフトビールの中から、一人一人の好みに合わせたクラフトビールを毎月お届けします。

あなたの好みに合わせたクラフトビールの定期便Homebr


ーーユーザーの好みに応じたクラフトビールを選ぶ仕組みについて教えてください。


徳永:Homebrでは、ユーザー登録を頂いてから、まず始めに1分間のビール診断を受けてもらいます。

その回答に応じてユーザーのクラフトビールの好みを判別し、初回のビールセットを配送しています。

毎回、届いたクラフトビールに対して、ユーザーは美味しかった/美味しくなかった、こういう味がしたなど、細かくレビューをつけることができ、その内容に基づいて、2回目以降はよりユーザーの好みが反映されたビールセットが届くという仕組みになっています。

続けていくうちに、どんどん自分好みのビールが届く仕組みが、Homebrの特徴ですね。

また、その一方で、ただ自分の好きな系統のクラフトビールだけを飲み続けていると、「飲んでみたら、意外と美味しかった」というような思いがけない出会いが生まれづらい、という点もあります。

私たちは、そのようなユーザーとクラフトビールの予期せぬ出会いを大切にするために、必ずしもユーザーの回答通りに、お届けするセットに入れるクラフトビールを選ぶのではなく、時折、好みとは少し違った方向性のクラフトビールを入れてみるなど、「思いがけない出会い」を担保するための仕組みづくりを、技術的にも頑張っています。


二度目のサービス立ち上げ挑戦。自分たちが好きで、課題感を持つ「クラフトビール」に注目。

ーーHomebrを立ち上げようと思ったのは、どのようなきっかけだったのですか?


織田:共同創業者の徳永は、元々同じ会社の知り合いで、一度一緒のプロジェクトにも参加をしたことがありました。

徳永は社内でも特に優秀で、人としても相性が良くて、WEBサービスを立ち上げようと思った時に、絶対に徳永と一緒にやりたいと思い、一番始めに声をかけました。

突然の誘いなので、断られることも想定して、色々と説得材料も用意していたのですが、予想に反して、「ぜひやりましょう!」とあっさり快諾してもらうことができました(笑)。

そうしてチームを組み、まずはパーソナルトレーニングに関するWEBサービスを一緒に立ち上げたのですが、うまく成長させることができなくて。

失敗の要因を振り返ってみると、自分たちが課題を感じていたり、欲しいと思っていたサービスではなかったということに行きつきました。

その経験から、次は自分たち自身が課題感を持っていて、かつ大好きなものをテーマにやろうと議論を重ね、クラフトビールの定期便サービスのアイデアにたどり着きました。


ーーどうして織田さんの誘いを快諾されたか、徳永さん、改めて教えていただけますか?

徳永:なんというか、単純にウマが合ったということなんだと思います。

最初にやったパーソナルトレーニングのサービスは上手くいかなかったんですけど、でも引き続き、また二人で何か楽しいことをしたいよねと話していて。

クラフトビールのサービスだったら、二人とも大好きで自分ごとにできるし、好きだけどあまり詳しくない、という課題感も感じていて、自分たちの強みも活かせそうだと盛り上がり、Homebrを立ち上げることにしました。様々な事業案を出している時間は、部活みたいで、楽しい時間でした。


”最適なクラフトビール”をユーザーに提案するため、あらゆるデータを試行錯誤のうえ収集。


ーー立ち上げしてからまだ半年程ですが、これまでで大変だったことを教えていただけますか?

織田:一番大変だったのは、在庫管理や商品発注の部分でした。

私たちはこれまでWEBサービスしか作ったことがなくて、実際の在庫を持つようなビジネスをやったことがなかったので、適切な数の在庫を持つようコントロールすることがとても難しかったですね。

その辺りの各商品をどれくらい注文するかという点も、データサイエンスを活用して工数を大幅に減らすことができて、最近ではようやく商品管理が落ち着いてきました。最初自分たちで1商品ずつ注文していた頃と比べると、工数的には1000分の1くらいになりましたね。


ーーそれはすごいですね。徳永さんは、どんな点に苦労されましたか?

徳永:やはりどのようなデータをどう取得するかというところは苦労しましたし、今もまだ、改善途中にあります。

取り寄せているビールについて、それぞれのブリュワリーさんや卸業者さんから様々なデータを頂くのですが、良いレコメンドシステムを作るためには、頂いたデータだけだと足りなくて。

私たちが欲しいデータをどうやったら取得できるだろうかと、織田と調べながら、試行錯誤しながら集めてきました。

また、ユーザーの方からもらうビールへのレビューのデータも、UI改善などを通じて、もっと良い形で取得できるようになるのでないかと思っています。

そういった点も、色々と仮説を出しながら、検証し続けています。これからも良いデータをいかにとるか、試行錯誤を重ねながら、精度をあげていきたいと思っています。


ーー少しだけ裏側の話を聞かせていただきたいのですが、商品説明に載っていないデータを取りにいく、というのはどのようなやり方をしているのですか?


徳永:まだこれ、というような答えはなく本当に様々な形で試行錯誤をしています。

たとえば僕たちがひとつの指標にしているデータがあるのですが、その値を単体だけで見ても意味がなく、同じ系統のビールで集約させて、それぞれのグループごとにビールの特徴を表す様々なデータの平均値をとり、それを他のグループの値と比較することで、ビール同士の関係性をいかに筋の良い形で表すか、ということに頭を使っています。


ーーなるほど。それぞれのビールを、データを活用してどのようにマッピングしていくかというようなことですよね?

徳永:はい、まさにそうですね。


織田:サービス構想時から、それぞれのビールをどうマッピングしていくか、ずっと考えてきました。

「ビアスタイル」という、イングリッシュスタイルIPAなどビールの種類を100種類ぐらいに区分したものがあるのですが、それぞれのビールがどのビアスタイルに適合するものなのかは、ネット上にはどこにも載っていないんですよ。

だから、ブリュワリーさんなど、各所に直接教えてもらって、それぞれのビアスタイルとビールを紐付ける作業をして、データ管理をしています。

他にも、生産者に聞かないと分からないようなデータがたくさんあるので、それをひとつひとつ直接聞いて、スプレッドシートに貯めて…ということを日々行っています。


地方のクラフトビール好きの方々に支持されるサービスに。

ーーこれまでHomebrを運営してきて、気づいた点などあれば教えていただけますか?

織田:クラフトビールの消費量は関東が最大なので、Homebrユーザーも関東圏の方が多いかなと思っていたのですが、意外と地方に住んでいる方が多いのが驚きでした。

関東だと様々なクラフトビールを買うことは比較的容易ですが、地方だとお店でそれほど多くの種類のクラフトビールを取り扱っていないということも良くあると思うので、地方のクラフトビール好きの方々に支持されていることがとても嬉しく思います。

色々なクラフトビールの定期便サービスは出てきていますが、一人一人の好みに応じたクラフトビールが届くサービスはHomebrだけなので、今後も全国のクラフトビール好きの方々の期待に答えることができるよう、サービスを成長させていきたいです。


徳永:織田の言う通り、東京では様々なクラフトビールを飲むことができますが、それでも地方の知る人ぞ知るブリュワリーのビールって、東京でもなかなかお目にかかれないことが多くて。

Homebrを通じて、全国のクラフトビールと、クラフトビール好きをマッチングすることは思っていた以上に機能しています。今後はより、多様なマッチングを生み出していきたいです。

あなたの好みに合わせたクラフトビールの定期便Homebr

画像1

全国各地の約600種類程のクラフトビールとクラフトビール好きをマッチング


Homebrを通じて、クラフトビール業界を盛り上げたい


ーー最後に、今後の展望について教えてください。

織田:今後は、より様々な地域のクラフトビールを取り扱っていきたいという思いがあります。

また、Homebrのサービスを通じてクラフトビール業界を盛り上げていきたいです。ゆくゆくは、自分たちでもクラフトビールが作りたいです。


徳永:Homebrを今後、レビュー機能の改善などを通じて、より使いやすいサービスにしていきたいです。

僕も織田が話していたように、クラフトビール業界を盛り上げていきたいという思いが強いので、クラフトビール業界の様々な方とコラボレーションしていきたいです。

それぞれのビールに合うおつまみをセットにして送ったり、楽しみ方の記事も合わせて送ったりして、ユーザーさんのビールの楽しみ方を増やしていけたら嬉しいですね。

あなたの好みに合わせたクラフトビールの定期便Homebr

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?