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昔は過去で、過去じゃない今

昔好きだった人にあった。
凄く好きで、初めて会った日から、ピークに好きだった。

腕をつんつんてして話しかけてくるところも可愛いなと思ったけど、彼と話す私の声は思っていたよりずっと低くて、心拍数は予想よりはるかに落ち着いていた。

ばいばいした後に口角が上がって、1人でニヤニヤすることもなかったし、心の中できゃっと叫ぶこともなかった。

あ、そっか。
昔好きだった人は、過去なんだ。

ならば、私が今もう好きではないと思ってたあの人は、まだ現在の人だったのか、と気づいてしまった。

会ったら鼓動が速くなって、
「もっとあんな会話ができたのに。」
と、あとで後悔すること、夜寝る前に思い出すことも全部好きの感情が今だからだったんだ。

過去と現在は別物。

頭では分かりきっていたことが、痛いほど分かった。

まだ過去にできていない自分がいて、たぶん、きっと過去にしたくない自分のせいなのだろうなと思う。

時がくれば、勝手に過去になるのだから。
まだ、あの人を今に置いておいてもいいのかもしれない。

今のわたしには、過去にするのはあまりにも早過ぎる。

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