窓の向こうにある誰かの存在 2024.9.13
先日、久しぶりに飛行機に乗った。
私は乗物に乗ると窓の外に広がる見知らぬ土地を眺めるのが好きで、ついつい子供のように窓にへばりついてしまう。
飛行機が滑走路から飛び立ち、街の景色が徐々に小さくなっていく。
遠のいていく家々を見ながら、そこで暮らす人々の気配を感じる。
知らない誰かの、知りうるはずのない人生が存在していることに想いをはせる。
そんな想像をするのが好きだ。
なにかロマンのようなものを感じてしまう。
知らない誰かの人生を垣間見ているような気分になるからなのかな。
相手の人は飛行機から私が見ていることなんて知らないし、想像すらしていない。
だけど、私は見ていますよ。とニヤけてしまう。
若干の変態性が現れているようで気持ち悪いが…。
何年か前の旅行で深夜に家を出発したことがあった。
真夜中の道はほとんど無人で、街は静かに眠っている。
そんな中にポツリポツリと電気が灯っている部屋を見かけると「あぁ、あそこには生活をしている人がいるんだなぁ」と安堵感のような不思議な感覚になったことを覚えている。
ちなみに私は別に人間が好きな人種ではない。
それなのになぜ、誰かが存在している証を目にして喜びにも似た感情を抱くのか?
考えてみると不思議なのだけれど、答えは今のところ分からない。
その理由をいつかフッと気づくことがあるのかもしれないし、分からないままかもしれない。
ついつい全てのことに意味を見出そうとややこしく考えてしまう悪いクセ。
こんなことを書いていたら、我が家の上空に1機の飛行機が。
網戸越しに空を見上げ、遠のいていく小さな機体を捉える。
そして、飛行機の乗客を想像する。
いつかの私と同じように窓の外を眺めているかもしれない誰かの姿を。
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