求めていた夢の気分を味わう
ある晴れた朝、私はふと窓際に置かれたオリーブ色のリクライニングチェアに座り、コーヒーを飲みたいと思いついた。普段は慌ただしく弁当や朝食を作り、ただ自動的に流れていくような朝の時間。その気分を少し変えてみたいと思った。
お気に入りの丸いフォルムをした芥子色のマグカップを用意し、コーヒーの粉を入れた容器を開けて鼻先を近づけ、深く息を吸う。コーヒーは好きだけど、正直そこまで味の違いは分かっていない。始めは店で焙煎をしてくれる豆を購入していたが、夫婦そろって味覚に疎いことを痛感して