君を好きになって生きづらくなった
好きな人がいます。
私の好きなその人は、某有名事務所のアイドルで、
私は世間的には、彼の「リアコオタク」と区分される痛い人です。
痛いオタクの戯言だと思われてしまえばそれまでなのですが、私のこの気持ちはそんなものではないのです。誰に知って理解して欲しいというわけでもないけど、今までずっと吐露したかったこの気持ちを綴らせてください。
まず私は、小さい頃からアイドルが大好きでした。しかし私がここでいうアイドルというものは、キラキラして、華やかで、かわいいお姉さんのことで。
私はプリキュアが好きな感覚の延長で、今の今まで、女の人のアイドル姿がずっと大好きです。
綺麗で可憐な声、可愛くて華奢な容姿、華やかなメイクや髪型や衣装、女性らしい立ち振る舞いや軽やかなパフォーマンス、全てが見ていて心地よくて、、、
女の子アイドルしか考えられないくらい、昔から今までどうしようもなく女の子アイドルのオタクなのです。
そんな私が、数年前、急にとある男性アイドルの方を好きになりました。
周りの友人や家族から、口を揃えてありえない、と言われるほどそれはそれは不思議なことでした。
某有名事務所の、まだデビューしてない男性アイドル。
もちろんその事務所のタレントはメディア出演も多く、私のような全く男性アイドルに興味がない人でも目にすることは多くありましたし、クラスメイトや友人など周りの女の子たちの影響もあり、全くの知識なしという状態ではなかったのですが。
見た上で本当に興味が湧かなかったのです。今まで。
彼らが日本のエンタメを盛り上げるパフォーマーとして魅力があることは頭では理解しているのですが、全く心がときめくということはなく。
そもそも、男性をかっこいい、と思う感情が多分乏しいんだと思います。
そんな私が急に、デビューもしていない、〇〇くんが好きかも。と溢したものですから、周りの人たちはとてもびっくりした様子でした。
私自身もびっくりですけど。
特になにが、というわけではなく、YouTubeの画面に数人映っているはずなのに、気づいたらその彼にしか目がいってないのです。
数年前の八月のある日、
気づいたら好きでした。
名前を覚えた頃には好きでした。
顔が好き、話が好き、とかそういうことではなく、その人が何かをする前の予備動作や、顔の向く癖や、腹から発声してなさそうなふにゃふにゃした話し方など、その人から溢れているものにとてつもなく魅力を感じました。
そうして彼を好きになってしまった私ですが、郷に入っては郷に従え、という言葉がある通り、「某事務所アイドルのオタク」という肩書きにならざるを得なくなりました。
私は彼が好きなだけなのに。
グループのこと、事務所のこと、なんてどうでもいいのに、表面上その肩書きにならないと、おかしな痛い人間になってしまうのです。
アイドルに本気で恋をする現実の見れない痛い女。
「リアコ」、「ガチ恋」、それが本当の意味であることってどれくらいなんでしょうか?
この某事務所オタク界隈では、〇〇くんリアコ、〇〇くん推し、掛け持ち〇〇、のような、私からすると、それって本当に本当のリアコじゃないじゃん。と思うようなことが多々あって、なかなか理解者を得られないんです。
(私は前述したように、女の子のアイドルは大好きですが、彼と、私の好きな女の子のアイドルというのは、本当に感情が別物すぎて、掛け持ちなどという言葉でカテゴライズするというのは全く持っておかしな話なのです。)
例えば、本当に恋をしている相手に対して、TikTokでBGMをつけながらハートマークで囲って動画を作れますか?本当に恋をしている相手に対して、専用のアカウントを作って愛を嘆いたりできますか?本当に恋をしている相手に対して、うちわで「〇〇くん、3秒見つめて?」とかできますか?
それって全部、オタクであることが前提じゃないですか。
だって、私はグループに興味もない。事務所に興味もない。歌やダンスやライブを、パフォーマンスとしてすごいなとは思えど、私にとって心がときめいたりするコンテンツではないし。
私は、正真正銘彼らのオタクではないんです。
でも、好きになった彼がアイドルだから、アイドルオタクの顔をしなくてはなりません。
好きになってから、何回かライブにも足を運びました。好きでもない曲にノり、寒いセリフに黄色い歓声、興味のない人の綺麗な顔のアップ、私の心に何も響かない感動スピーチと、それに涙する会場の空気、正直私がここに足を運ぶのって、私にとっても他の人にとっても迷惑で意味のないものなんじゃないかと、何度も思いました。
それでも、数キロメートル、数百メートル先に、好きな男性がいる。それを見つめる。というただそれだけのことを、それらを乗り越えないといけない相手を好きになってしまったから。
そして、私の心が時折苦しくなってしまうのは、そういった郷に入っては郷に従えなことだけではなくて。
人を好きになったら、その人がどんな時にどんな顔をするのか、どんな言葉にどんな言葉を返してくれるのか。いろんな話をしたい。いろんなところに出かけたい。一緒に時を過ごしたい。手に触れてみたい。そういった感情が出てきてしまうことを知りました。
今まで、誰かを好きになったことがないわけじゃないし、付き合ったりしたことがなかったわけではないのですが、今思えば本気で好きじゃなかったんだと思います。
例えば、デートにしたって、なんの意味があるんだろうこれ。と内心思いながら、彼女らしく振る舞うことに徹していました。連絡も、彼氏彼女、という関係は、毎日連絡をしないといけないものだ、とタスクのようにこなしていました。
でも今になってわかります。デートは、その人がどこに行って何を見てどんな顔をするか気になるからデートに行くんだろうし、毎秒その人が元気か気になるから自然と連絡するものなんだ、と。
そこで、私は今、それらの感情を知るだけ知ってしまい、それをどうしたらいいかがわからないのです。
寂しい日は君に電話をかけたい。夏に花火が上がるから一緒に観に行きたい。眠れない夜にドライブにいきたい。
そう思ってしまっても、肝心の君がいないんです。
人恋しいだけなら、マッチングアプリでもなんでもして、さっさと彼氏を作ってしまえばいいけれど、私には、しっかりと君の輪郭がいるから。そのせいで、身近で恋愛をして忘れるということも難しいのです。
きっと身近な人から好きな人を探しても、君の面影と重ね合わせて人を判断してしまうと思います。ちょっと君に似てるから好き。みたいな。
そうやって付き合った人とは、きっと君とまた重ね合わせてお別れがくるだろうし、そもそも人の時間を無駄にしてしまうことになるだろうし。
私いま若くて可愛いのになぁ。悲しいことに、「リアコ」と呼ばれる人種だけど、なんの間違いがあっても付き合えるなんて微塵も思ってないし、そこはちゃんと現実を見た上で、恋愛ができない。
私はこの君を好きな苦しい気持ちと戦い続けなきゃいけないみたいで、本当にしんどいです。
もしどこかで出会えたら、こっぴどく失望させて私を振って欲しいのです。
はやくこの好きでもないグループのオタクのロールプレイングと、身近な人と恋愛ができない悲しいモンスターを辞めたいです。
君がアイドルじゃなければ良かったのに。
それでもきっと好きだったのに。
こんなに私を苦しい想いにさせてくるのに、当人は世間を元気にさせるアイドルとして活動しているなんて皮肉ですよ。どうやったら私の中から彼が消えてくれるのでしょうか。
これが私が君を好きになって生きづらくなった経緯です。
私にはもうどうすることもできないみたいです。ただひたすらに、苦しくてやるせなくてめんどくさい感情を毎日知ります。
でも言葉にすることで少しスッキリしたかも。どこかで同じ想いをしている人がいてこれを見て、私もいるよって伝えられたらいいなと思います。
こんな不器用で稚拙な文章を、最後まで読んでくださりありがとうございました。
それでは、またいつか、書くかも書かないかも。
眠いので、さようなら。
八月
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