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キャリア・サバイバル【キャリア理論】

キャリアカウンセリングに関する理論の紹介と、それに対して感じたこと、考えたことを書いてみるシリーズです。
(勝手にシリーズ化しました)

今回は、組織心理学という分野を開拓したエドガー・H・シャインの理論を紹介します。
シャインは、組織と個人の相互作用という視点から理論を構築しています。

シャインの理論には、キャリアアンカーや、内的キャリアと外的キャリアなど様々なものがありますが、今日は、「キャリア・サバイバル」について紹介します。

キャリア・サバイバル(職務・役割の戦略的プランニング)
個人が今の職務の中での役割とそのダイナミックな変化を把握していないと、サバイバルできないという考えから生まれたツールです。
具体的には、6つのステップに分けて個人の職務と役割を分析し、プランニングします。
①現在の職務と役割を棚卸する
②環境の変化を識別する
③環境の変化が利害関係者の期待に与える影響を評価する
④職務と役割に対する影響を認識する
⑤職務要件を見直す
⑥プランニング・エクササイズの輪を広げる

シャインは、
「キャリア開発の視点の本質は、時の経過に伴う個人と組織の相互作用にある」
と考えています。
キャリア・サバイバルは、組織が自身に対して持つニーズを知るという役割があります。

組織との関わり方は、時とともに変化していくものだと思います。
その変化と向き合い、変化に適応していくこと。
それが個人と組織、両者にとって大切なことになるのではないかと思います。


皆さんは、自分が組織に与える影響を考えることはありますか。

自分が与える影響なんてないよ、と感じる人もいるかもしれませんが、
組織に属している、組織と関わっている限り、影響を与えない人はいません。
誰もが影響を与えながら組織と関わっているのだと思います。

自分の視点で選択するということ。
それは、自分軸があるということだと思います。
納得できる選択をするために必要なことでもあると思います。

一方で、自分以外の視点を持つこと。
例えば、組織で一緒に働く上司、同僚、後輩の視点をイメージすること。
「自分がこの選択をしたら、あの人にはどんな影響があるんだろう」と考えてみること。
そこに縛られる必要はないと思います。
けれど、組織に対し影響力を持っている一人ひとりがこの視点を持っていると、組織にはプラスな効果があるのではないかと思います。


僕は、誰しも「自分にしかできないこと」を持っていると思っています。
分かりやすく大きな舞台に立つ歌手や俳優、スポーツ選手のような人だけが持っているものではありません。
効率よく仕事ができることもその人にしかできないことだけれど、それだけでもありません。
その人がいるとなんとなく雰囲気がいい、とか
その人がいるだけで安心できる、とか
表には見えないところの気遣いを欠かさないあの人の優しさ、とか。
本当に様々な「自分にしかできないこと」があり、誰もがそれを持っています。
そんなことを自信にして、周りの人、組織と関わっていけたらと思います。


【関連創作物】

↓シャインの著書についての記事です。


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