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さんぽセル大戦争

ツイッターを見ていたらとある製品が紹介されていた。

さんぽセル』である。 

さんぽセル

見てわかるように、これはランドセルに取り付けるとキャリーみたいに出来る製品だ。しかもつけたまま背負える設計らしい。すごい。

いや、120%自分にまっっったく関係のない製品なのだが、
最近ちょうどランドセルで子供の体が崩壊してるみたいな記事も見ていたし、とある動画で重いものを持ってるとモチベが下がりまくるという話を聞いた覚えがあったので、それらが頭の中で繋がったのだ。


いや、見てたのは以下の動画なんだけども。↓

まあ、一旦落ち着いて欲しい。

なんだか一部からやけに嫌われている印象の強い中田敦彦氏だが、こういう解説動画では基本的に本の内容を話しているだけなので、とりあえずは落ち着いて欲しい。
大事なことは重さによる影響について述べていることなのだから。

「こんなオッサンの動画見てられるか!!」という人は以下の動画でもいい。同じ本の内容を語っている。
ぶっちゃけこっちのほうが重さによる影響についての情報量は多い。↓

それに大事なのは、まだ体が出来ていない小学生が、現在進行系でランドセルの重さによって体をぶっ壊されている事実である。
大人基準で考えてはいけない。

なにせ子供の体重なんて・・・何kgなんだろう?

小学1~6年生の男子の平均体重と身長は以下の通りです。

1年生:21.4kg:116.5cm
2年生:24.2kg:122.6cm
3年生:27.3kg:128.1cm
4年生:30.7kg:133.5cm
5年生:34.4kg:139.0cm
6年生:38.7kg:145.2cm

https://hanakomama.jp/lifestyle/108321/

どうやら小学校1年生だと20kgくらいらしい。
そしてランドセルにあれこれ入れたときの重さはというと、
ランドセルメーカーが調べてくれていた。

株式会社セイバン調べ

この調査結果は一番重い日のものなのだが、5kgといったら20kgの子供の25%の重量である。しかも筋肉は大人と比べてまだ小さい。

これで30分かけて学校に通ってたら、ダメージはたしかにありそうだなとは思う。

自分が登山に行くときは、1.5kgのザックに水3~5Lとカメラやらあれこれで10kgちょいになることが多いが、それに自分が耐えられるのは登山用ザックのしっかりした腰ベルトがあるからだ。
ランドセルにそんなものはないし、子供の体で体重の4分の1の重さを肩に加えさせるのは酷だなあと思う。

「体がこれで鍛えられるんだよ!」とか言ってる大人も居るようだが、是非自分の体重の25%のものを常に背負いつつ会社に通ってほしいものだ。
子どもより筋肉はあるだろうし、いけるいける。

まあ、動画で紹介された本が述べている「重いものを持っていると心も体も疲労してネガティブになり、やる気が下がる」が正しいとすると、
さぞデバフを食らった労働者になってしまうことだろうけど。

そして子どもたちは現在、その状態になっている

朝からいきなりランドセルの重量でネガティブになり、その状態から授業を受けて、帰り道にはまたネガティブになる生活というわけだ。
帰ってからの宿題などへのモチベーションの低下もあるかもしれない。


それを解決できるのがさんぽセル
まさに救世主である。

しかもこれを開発したのはなんと小学生なのだ。
(もちろん協力者は居るが)

(株)悟空のきもちTHE LABO(東京都)は、栃木県の小学生の双子と兄妹が中心になり、脱ゆとりで重くなったランドセルを、体感約90%軽くするスティックを開発し特許も申請。
重いランドセルに反撃する「小学生による小学生のための製品」として「さんぽセル」と名づけ先月発売。現在3か月待ちとなる累計約3000台の注文を頂き8月より生産を現在の5倍程度に引き上げ対応。

https://japan.zdnet.com/release/30699502/

だが、案の定反対意見もあるようだ。

その件数はなんと 1000件越え である。


・・・わかる。

小学生が開発して特許申請、しかも大人気とかいう時点でもう、
嫉妬の炎で怒り狂う鬱屈したネット上の大人たちの姿がありありと浮かぶ。

俺はネットに詳しいんだ。


だがその反対意見に対する返答がまた小気味よい。

転んだとき両手が空いてるからランドセル最強説

返答:
なんで、キャリーを持ったまま転ぶって思うの? ふつう手をはなします。
20キロの灯油缶を背負って、毎日30分歩いて、両手が空いているから安全ですって先生や おとなが笑って自慢したら ゆるします。きっと地獄です。



キャリーは高速で坂を転げる暴走機関車になる説

返答:
2つのタイヤだけでどうやって坂道を転がすの??
そんなことできないように考えてるんですよ。ちゃんと見て文句言ってよ!



ランドセルのおかげでお前らは後ろに転べる説

返答:
そもそもランドセルが重いから後ろに転ぶんじゃん!
おとなも灯油缶を満タンで背負ってみてよ!ぜったい後ろに転ぶよ!

そんなに安全なら、学校終わったあとも、休みの日もランドセル背負わないと外に遊びに行っちゃだめ!って、なんで言わないの?



子どもは走るものだ説

返答:
自由に走れるから遊んで道路に飛び出して危ない目になるんじゃん
摩訶不思議な子供のうごきに対応したら、危ないじゃん!
通学で走れない事って むしろちょー安全じゃん!



ランドセルで体鍛えろ説

返答:
灯油缶を、いまも毎日背負ってる大人のひとがいうなら許します。
もし灯油缶を遠くに運ぶなら、大人はみんな軟弱にならないよう背負いますか?
きっとタイヤで運ぶと思う。おなじだよ!



圧倒的な悪路走破性のある製品じゃないからダメ説

返答:
そういうときのために、もとはランドセルなんだから、そのまま背負えばいいじゃん!
いつでも、すぐそれができるように作ってます。ちゃんと考えて文句言ってよ。



鏡見ろ説

返答:
僕たちが考えたものは人気で3か月待ちになりました。
あなたは何か月待ちですか?



やばい。


子どもたちの圧勝すぎるやん・・・。

もうこの製品を使わないことが罪とすら思えてくる。

というか、こんな大人が大量にいることに日本のヤバさを感じる。
子どもによってたかってまあ・・・。

しかも大人側の反論は軒並み、製品の開発背景を理解していないものばかり。記事をまともに読めない大人というやつである。


子どもたちが社会に絶望しないか心配だ。



僕たちが考えたものは人気で3か月待ちになりました。
あなたは何か月待ちですか?

小学生

これに関しては私にも効くので辛い。

少し泣く。


自分では使わないけど子どもたちにこれを使って欲しい!という人のためにクラウドファンディングもやっているようなのでリンクを貼っておく。

あなたの支援で、重さに苦しむ子どもたちが救われます!

しかし子どもが開発と特許取得か。
すごい時代になったものだ。


追記:ニュースになったようなので貼っておきます


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