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「似合う」を見つける伴走者が目指すのは

私、肩書きというとオーダーシャツ屋の代表となります。
「ちょっとシャツは苦手で…」という方に出会うと、「ちょっと待ったーーーーー!!!」
と言いそうになる気持ちを少し抑えながら

「それはね、合うサイズのシャツと出会えてないからなんです」

と「サイズが合う≒似合う」の考えを、一つの意見としてお伝えするのが仕事です。
市販で合うサイズが見つかる方はすごく幸せ。見つからなくて当然です。そんな「標準体型」の人なんてほとんど存在しないんですから。


シャツをオーダーするという選択肢

「似合うシャツ」を見つける方法の一つとして、holo shirts.というブランドを主宰して普段着のオーダーシャツを作っています。
どんな風にオーダーできるかというと、、

サイズサンプルを試着(unisex XS〜L)

襟を選ぶ

生地・ボタンを選ぶ

オプションの選択(着丈の調整など)

こんな流れです。
実際には、これらを行ったり来たりしながら色々なお話をして、最適なバランスを一緒に探っていきます。

出来上がるのは、どれも「力の抜けた」普段着のシャツです。
少しゆったりしたサイズ感と低めの襟、滑らかな肩線が特徴です。
正直、キチッとスーツの下に着たい方にはオススメできない形ですが、頑張らない感じで、でも清潔感は欲しい、そんなシャツをお探しの方には激しくオススメしたいシャツです。

お店を持っていないので、全国で受注会を開催して、いただいたオーダーを東京に戻って制作するスタイルで活動しています。
ちなみに料金は

シャツの生地・お仕立て代:20000円(税別)〜 ※生地によって変動します
袖丈、着丈の調整オプション:2000円(税別)

生地によっては30000円するものもありますが、ほとんどが20000〜26000円くらいの中に収まります。


袖を通されないシャツ0を目指して

この「オーダー」という業態、お客様に合うものが作れる良さはもちろん、そのことで無駄な在庫を持たなくて良いという大きなメリットがあります。
これは、一度も活躍することなく廃棄されるシャツを生み出したくないという思いに基づいています。

もしかしたら、みなさんの中にも『ザ・トゥルー・コスト』を見たことがある方がいるかもしれません。
ファッション産業の裏側にある搾取の構造、「消費者」の意識などについてのドキュメンタリーです。1時間半くらいですので、よければ見てみてください。鵜呑みにしなくてもいいですが、自分の買い物について考えるきっかけとしては十分です。

何が言いたいかというと、今は「ものを作りすぎ」だということです。
誰の手に渡るかもわからない服を作っては、マッチングできずに安くしてハードルを下げ、それをそんなに欲しくなかったかもしれない人が手にとって、ちょっと着てやっぱり違うなと捨てる。

ほんの一例ですが、こんなに無駄なことはないです。
経済は回るかもしれません。でも、限りある資源を無駄遣いして儲けても、個人的には全く嬉しくないです。
まだまだ素材の出所を把握しきれていないことも多くて口だけの状態ですが、これから扱う素材を選択する上で大きな基準の一つにすることは間違いないです。


「似合う」を見つける二つの頭

オーダーというと、自分の好みや持ってる服を分析して、時間をかけて自分で選んで…というイメージがあるかもしれませんが、実際には違います。僕がいます。

お客様と僕、二つの脳みそで一緒になって考えて、あーでもないこーでもない、こうかもしれない!!と寄り道しながら良いバランスを見つけるんです。
だからお会いして、お話しすることがとても大事。
会話の中から、メールのやりとりでは絶対にわからなかったであろう好みや、当日の服装も似合うシャツのヒントになります。

非効率と笑われるかもしれませんが、これが僕のやり方です。
お客様にも、せっかく時間を作っていただいているので、シャツ以外に何か一つでも発見を持ち帰ってもらえればとたくさん聞いてたくさん喋ります。笑

今は、サイズサンプルから選ぶセミオーダーシャツ を中心に活動していますが、もっと個人の好みに沿って、一人ひとりの型紙をお作りする「フルオーダー」のメニューもあります。ただ、こちらは一時休止中
エネルギーと時間をかなり使うので、もっと体力をつけてから再開しようと思っています。安くはないですし。


オーダーの敷居を下げる

といっても、価格は下げられません。
「仕組みがよくわからないから不安」とか「まずは試しに見てみたいのに」みたいな心理的なハードルを少しでも低くしたいなと昨年初めて開催したのが会話とオーダーメイド
オーダーメイドの作り手・伝え手が集まるイベントです。

僕自身、初めてシャツをオーダーしに行った時の緊張たるや、汗が止まらなかったほどだったので、みなさんが「オーダーしよう!」と決める時の気持ち、よくわかります。
そういう緊張もいい経験なのでいいのですが、はじめの一歩くらいはもっと敷居が低くてもいいなと思ってこのイベントを立ち上げました。

ここでは、複数の出展者がいることで、まず話を聞いてみて、考えたいとかちょっと違うなと思ったら「ちょっとあっちも見てきますね!」と気軽に離席できる環境があります。
「行ったらオーダーしなきゃ…」みたいなプレッシャーとは無縁です。
今年も11月に開催予定ですので、何かをオーダーしたい時の引き出し作りにぜひいらしてください。


服との付き合い方をよりよくする企画

こんなことを考えている僕ですが、同じ思いで進んでくださる方とだったら一緒にお仕事させていただきたいと常に思っています。
これまで特に公にしたことはなかったので実績はありませんが

・ブランド内のシャツの企画・型紙制作
・シャツブランドの立ち上げ・リニューアル

など、お手伝いできることがあると思います。
5年半、オーダーシャツのブランドを運営してきた経験は、他の方のためにも活かしていきたいと思っていますので「なんだ、こいつ面白そうだぞ…」と思ってくださったらご連絡ください。
できること、できないことを確認しながら、服との付き合い方をよりよく変える企画を考えましょう!



オーダーという業態を選んだ時点で「無駄なものを作らない」が頭にありました。これまでもこれからも、ちゃんと袖を通して着倒してもらえるシャツ作りを続けていきたいと思います。