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きたがわ@ひいらぎ読書会
2022年5月7日 15:51
父がカメラから巨樹に興味の対象を切り替えたのは、僕が小学校に上がったころであったろうか。「巨樹を見る」というおよそ凡人には理解しかねる父の趣味に、我々家族は否応なく付き合わされた。休日になると早朝に家を出て、隣県の巨樹めぐりに連れ出される。僕はそんな生活が嫌でたまらなかった。遊び盛りの小学生が、なんだって休みの日に早起きして樹なんか見なければいけないのだろう。巨樹の根元で嬉しそうに微笑む父の隣で