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水戸ホーリーホックがJ2リーグで通算1,000試合を達成することは大いに誇っていいと考えるワケ

水戸ホーリーホックは、第15節栃木戦をもって、J2リーグ通算1,000試合目を迎えます。

サッカーファンならご存じの通り、水戸ホーリーホックは2000年のJリーグ参入から一度も、J1リーグに昇格したことがありません。

その中で迎える通算1000試合目に、どのような意味があるのか。上記のツイートにもJ1に行っていない中でうんぬんかんぬんな書き込みも見られましたが。

そんなことはない。

京右衛門さんが仰る通り、このJ2リーグ1,000試合目という記録は誇っていい、金字塔だと思っています。

その理由を少しばかり。

サッカー界全体の話になりますが。

日本サッカー協会によると、日本には4,510のサッカークラブがあるそうです。
(2021年度、第1種登録)
この数字は、

野球の約6倍(約750クラブ=NPB12球団+独立リーグ約20球団+大学約370校+社会人企業・クラブチーム計約350クラブ)、

バスケの約2倍(Bリーグ、大学、オープン登録合わせて約2,100クラブ。2021年現在)

という規模感です。

サッカーは他競技と比べても非常に多くのクラブが存在したうえで、成り立っています。

しかもサッカーは、非常にオープンなスポーツです。

野球のように、どれだけ都市対抗野球で優勝してもNPBに参入できない、ということはないわけです。

そのカテゴリーで上位の成績を収めれば、上の舞台に行くことができる。(J参入に関してはライセンスの細かい規定はあるけれどここでは割愛する)

4,510クラブが、どのカテゴリーからでも頂点を目指すことができる、夢のあるスポーツ。

ところがその逆をあえて言えば、ひとたび所属するカテゴリーで下位になってしまえば、下のカテゴリーにいたクラブと入れ替えを余儀なくされることになります。大相撲に似た、弱肉強食のピラミッドがそこにある。
しかもそれは、個人と違って集団経営ですから、資金繰りとの戦いを伴います。
実際、J草創期と比べると、登録クラブ数は約半分に淘汰されました。

水戸ホーリーホックは、実際J参入から何度も存続の危機に立たされました。
東日本大震災の後はほんとに資金ショート寸前になる危機も味わいましたが、鈴木隆行さんをはじめとした救世主が何人も現れたことで何とか回避したことを、古参サポはつい昨日のように思い出します。

そして、その3年後から開設されたJ3リーグとの入れ替えが始まっても、残留争いにほとんど加わらなかった。
J3は開設から10年が過ぎ、その過半数がJ2リーグ在籍経験を持つクラブになりました。J1からJ2への入れ替えも激しいですが、J2からJ3に落ちてしまうと、なかなか戻ってこれない。隣県クラブのように1,2年で戻ってこられるケースは、全国的にはかなりまれなことであることは、胸に刻んでおくべきです。

こうしたサッカー界の置かれた状況を整理すると、
J2リーグというカテゴリーは、決して「J1に行けなかった落ちこぼれ」ではない。

日本に4500以上のクラブが存在する中で、
経営的にも実力的にも生き残りに成功した、TOP40に位置するクラブである
と、声高に主張したい。(けどなかなかわかってくれないのよ)

TOP40に四半世紀近く居続けることは、どんなジャンルでも並大抵の努力では達成できないことです。
音楽チャートでも、TOP40に入ることは一種の勲章。

自分は、クリスマスの時期になると必ずオリコンチャートに入ってくる山下達郎さんの「クリスマス・イブ」くらいの熱量でこの記録を称えられていい、と勝手に思っています。

ちょっとおふざけが過ぎましたが、オープンでワールドワイドな競技であるサッカーの実力TOP40のクラブが2つもある茨城県は素晴らしい県だと思うし、その一つが今住んでいる水戸にあるわけです。

この20余年、J1に上がれなかったことを卑下する必要はない。
J2にしぶとく生き残ったことを誇りたい。

愛するクラブがJリーグにいなければ, そもそもこういったマスコット同士
の交流もできませんからね

水戸ホーリーホックのJ2リーグ1000試合目という節目の試合が、Jリーグの創設30周年に、北関東ダービーで迎えられるというのも、何か不思議な縁を感じざるを得ません。

これまでクラブが歩んだ歴史と想いをポジティブな力に変えて、今週末の試合を勝ち点3で祝えるように、雨中の仙台戦に引き続き、前向きのサポートをしていくつもりです。

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