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デザイナー1年生、独立する

ちょうどiPhone3GSが日本で流行り始めた頃、サイバーエージェントの子会社にインターンとして潜り込んだ専門学生がいました。

社長の熱量と与えられた裁量、初めてのクライアントワークが楽しくなり専門学校を中退。社員に登用してもらいます。

約1年働いたのち退職し、社会人1年目の終わりにUIデザイナーとして独立します。当時24歳、貯金はほとんどありませんでした。

当時を振り返りながら、UIデザイナーとして独立するまでのステップを書いてみようと思います。

1.会社の先輩とこっそりアプリ開発

入社して間も無く、当時の上司でもあったA先輩にランチに誘われ、アプリの企画と構成案を渡されました。A先輩はディレクターながら独力でプログラミングを学び、会社に内緒でiPhoneアプリを作ろうとしていました。就業後のファミレスで打ち合わせを重ね、アプリデザインの仕事を受けます。そう、副業の始まりです。

このアプリがまさかの大ヒット。App Storeで1位を獲得し、デザイナーとしても自信をつけるきっかけとなります。

2.副業に適した場所探し

会社に内緒だったため作業場所に困りました。終業後や休日にどこで作業するか試行錯誤します。

家の中では集中できない性格なため、渋谷の自習室(個別ブースで資格の勉強をしたりできる)を借り黙々と仕事をしますが、ブースは狭く閉鎖的過ぎて断念。 最終的に当時渋谷にできたばかりのコワーキングスペースを利用し始めます。

24時間入れて仕事がしやすかったので決めたこのコワーキングスペース、渋谷co-baは独立後もオフィスを構えることになります。

3.コワーキングスペースでクライアントを得る

co-baでは毎月交流会が開かれていました。お酒を飲みながら名刺を持ってエンジニア、デザイナー、コピーライター、イラストレーター、起業家など会社では出会えないたくさんの方々とお会いしました。

そして多くがデザイナーを探していました。「引き受けたシステム開発のUIデザインをしてほしい」「こんなサービスを作りたいがデザイナーがいない」

運営の方に紹介いただき、ベストティーチャーというサービス立ち上げに携わったのが初めてだったと思います。副業も少し軌道に乗ってきます。

お客さんを得るにはコワーキングスペースはオススメです。ポートフォリオがあれば、その場で仕事が決まりますし、ただの勉強会よりも個人事業主や起業家が多いため最高の営業の場となります。

4. 会社を辞め、渡米

なんとなく会社から気持ちが離れていたタイミングで、シリコンバレーのVCに投資を受け、プロダクト開発をしに渡米するベンチャーを紹介してもらいました。このチャンスを逃してはならないと、親に150万借りて渡米します。貯金どころかマイナスからのスタート。

3ヶ月間Tokyo Otaku Modeさんと一緒にシリコンバレーでサービス開発を行いました。その時書いたブログはこちら

↑家探ししている時に1週間滞在したモーテル。

詳しくは上のブログにもあるように、向こうのデザイナーの仕事に衝撃を受けます。当時日本にはまだUI/UXを行う制作会社は存在せず、それなら自分でやってみようと帰国後すぐに正式な個人事業主届けを提出します。

少しやってダメなら就職しようと考えていました。

5.クライアントにクライアントを紹介してもらう

帰国後最初の案件は渡米前のクライアントに紹介してもらいました。なにせ借りた150万も残り30万円、貯金がなかったので支払いを早めていただきました、お恥ずかしい限りです。そして2番目の案件はGoodpatch土屋さんとの仕事でした。

その後もご紹介ベースでお仕事をいただき続け、営業活動なしで6年間事業を続け今に至ります。

我ながらよく後先考えずに突っ走ってきたと感心します。生存者バイアスと言われればそれまでですが、勢いで動いてみると案外未来は拓けます。

いつでもサラリーマンに戻れる時代。動いてみてから考える。それくらい楽観的で良いのかもしれません。

新しい場所に移ることを躊躇っている人がいたら伝えたいことが1つだけあります。

動いてみないと自分の価値はわからない。

さらに一年後、法人化の話はまたの機会に。

それでは

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