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インタビュー「BiKN」渋谷のライブハウスにアジア各国から総勢20組弱のアーティストが一挙に来日。前代未聞のショーケースイベント!


台湾、タイ、韓国、マニラなど
アジアから総勢20組弱のアーティストが一挙に出演する。
そんなイベントの開催が、最近SNS上で突然アナウンスされました。
なんとアジアの大物、落日飛車Sunset Rollercoaster も出演!

でもこれ、タイとか韓国の大型フェスの話じゃないんですよ。
日本の渋谷、しかもライブハウス・サーキット形式で行われるという!

記憶をたどってみても、そんなイベント過去にありましたっけ?

そんな前代未聞のアジアインディーのショーケースイベントが
「BiKN」です。
だけど、このイベントの主旨を知る手掛かりになりそうなものって、
今のところツイッター(X)のプロフィール欄に書いてある
「BIKN is an asian music showcase festival held in various music venues in Shibuya」という文章くらい。

アジアのかっこいいアーティストが大挙して押し寄せるこのイベントの事が個人的にめちゃくちゃ気になって、
今回はTHISTIME RECORDS の代表であり、
BiKNイベント実行委員のメンバーでもある藤澤さんにコンタクトを取って、このイベントのコンセプトや開催の動機、アジアの音楽シーンについて、
詳しいお話を聞いてみました!

※以下の文章は下記podcastで公開されてる内容を一部抜粋し
読みやすいように手直ししたものです。

聞き手 HOILDAY! RECORDS 植野秀章



イベント名の由来、イベントのコンセプトについて


ーーいつもはTHISTIME RECORDS の藤澤さんとしてお世話になっていますが、今日はこのイベントの発起人として
「このイベントのここがすごいぞ」というのを教えてもらいたいんですけど。
まずはイベント名について教えてもらえますか?


まず「BiKN」って読めないってよく言われてるんですが笑
これは「ビーコン」って発音するんです。

ーーBiKNと書いて、ビーコンなんですね。

はい。ビーコンの意味は基本的には、灯台ってあるじゃないですか?灯台とか、かがり火とか。

あと何だろう?潜水艦とかのピコン、ピコンってなる、あれあるでしょ?
何海里以内に何かがいると、ピコン、ピコンてなったりするあれあるじゃん?

ーーあー、あのレーダーみたいなやつ?


そうそう、そういう灯台とかかがり火のことを「ビーコン」っていうんです。
だから意味としては、「見つけてくれ」みたいなコンセプトなんですよね。

いろんなところから、この「BiKN」ってイベントを見た時に
いろんなアーティストを発見してもらえる、みたいな。

ここを見てくれ、みたいな。
つまりアジアのかがり火として、「アジアから世界の音楽シーンとか
ミュージックラヴァ―に向けて発信していこう」っていうのが名前の由来なんです。


ビーコン: Beacon)とは、原義は狼煙篝火といった位置と情報を伴う伝達手段のことであり、注意を引き付けるために意図的に設けられた場所。代表的な例として灯台が挙げられる。灯台は光による通信によって付近を航行する船舶に対し固定位置情報の提供を行う。


wikipedia


ーー「BiKN」っていうのはそういう意味なんですね。


それで焦点は、日本を含むアジアに絞っていて、、

ーー出演アーティストってことですよね?

そうですね、要は見つけてほしいアーテイストっていうのがアジア全域。
アジアのアーティストっていうのがどんだけいま素晴らしいかっていうのを
見てほしい、見つけてほしいっていう。

それを東京っていうか渋谷っていう名の知れてる、全てが集まってる街の名も借りて発信していこうっていう。そういう意味なんです。

ーーあー、だから正式名称が「BiKNshibuya」なんですね!

そう。世界のイベントって地名ついてるじゃないですか?
グラストンベリーとかそうだけどさ。
名前を付ける時に、そういう地名って良いなって。

それで東京って付けても良いんだけど、
渋谷ってカルチャーがいちばん詰まってる場所じゃないですか。
酸いも甘いも集まってるというか。
ま、下北沢もそうなんだけど。毎日ライブがあって。

ーーあと、渋谷系とかギャルカルチャーとか。

そうそう、いまなんかだとクラブだし、全部が詰まってる。
すごくごった煮感があって、それが日本ぽい。
それが日本の音楽シーンの見え方にも繋がってる感じあるよな、っていうのはあって。
それで渋谷って付けてみようと。

ーーあー、そういう事だったんですね。

「イベントをやろうと思った動機」


ーーサウス・バイ・サウスウエスト※ のアジア特化型、みたいなイメージでもいいんでしょうか?

※毎年3月に アメリカ合衆国 テキサス州 オースティン で行なわれる、 音楽祭 ・ 映画祭 ・ インタラクティブ フェスティバルなどを組み合わせた大規模 イベント 。

そうですね、それはよく言われますね。
でもまだそんなに大きな話とも思ってなくて。
映画から何から色んなカルチャーを含む大きなショーケースを目指しているというよりは、すごく音楽の話がしたい。
音楽を中心に据えた事をずっとしていきたいっていうところはあります。

我々は仕事として、熱狂的に音楽シーンを追いかけてますけど、
それをやってるなかで世界との接点が出来た時に
(日本とは)全然違う事が世界で起きてるんだ!っいうのがすごいあって。

アジア各地でそれぞれ違う音楽が、色んな花が咲いていて、
シンプルに、そのアーティストを見てもらいたいんです。

すごく面白い事になってるのに、でも全然日本にはそれが届いてないわけですよ。

例えば日本のフェスに海外のアーティストがちょっとだけ出てて、みたいな話はよくあるじゃないですか?

でもすでにそのフェスの主たるジャンルがあるし、
文脈が無くポンと出てもリスナーさんみんなが積極的に「これって誰?」とは、なっていかないと思ったんですよね。

ーーそうですね

すげえ口が悪い言い方をすれば「にぎやかし」みたいな。
「違う国のアーティストも出て、このイベントすごいイベントだね」みたいな。

もちろん受け取り方は色々あると思うけど、僕はそういうふうに感じるというか。。
(せっかく来日しても)なかなか有用じゃないなって思うところは結構あって。
こんなにいいアーティストが来日してるのに大多数のひとはそれを知らずに過ぎていく。
じゃあ、それをどうしよう?っていう。

みなさん世間一般的には、日本語で歌っている日本のアーティストを聞いていることが基本的には多い。
だけど世界には面白いアーティストがいっぱいいるので。



「繋がっているアジアの音楽シーン。そこから生まれるビッグアーティスト」


特にアジアでは今面白いことが起こっていて。
なんだったら、日本では知られてないけど、
今回の出演アーティストの国である台北、ソウル、バンコクとか
その三か国くらいでは、同じようなヘッドライナーのイベントが結構あったりするんですよ
タイ出身のアーティストが、ちゃんと韓国でもヘッドライナーだったりとか。

ーー同じアーティストの人気が各国でちゃんと繋がってるというか、ちゃんと共有されてるんですね?

そう、繋がってて。

ーー具体的な名前で言うなら例えば今回のBiKNにも出演の落日飛車Sunset Rollercoaster は台北のアーティストだけど、
韓国でもタイでもちゃんとビッグアーテイストとして認知されてる。
そういうことですよね?


そう、認知があるということ。
それこそコーチェラというアメリカの大きなフェスでも、アジアのロックバンドとして出演してるんですけど。

それって知ってる人は知ってる。だけど、こと日本においてはそういう話は出てこなくて。
きゃりーぱみゅぱみゅやX JAPANが出てました。あーはいはい、みたいな感じで終わるじゃないですか。
でもそこにロックバンドとして普通に落日飛車Sunset Rollercoasterが出てるんですよ。

落日飛車Sunset Rollercoasterっていわゆるシティポップとかインディーロックのサウンドをやってるアーティストなんだけど
日本でそれやってる人で、コーチェラ出る人っていますか?っていう。
もちろん出てほしいって願ってますけどね。

落日飛車Sunset Rollercoasterはしっかり実績を積んでて。
台北でも北京でも聞かれてるってなったら、リスナーの分母も大きくなっていくわけですよ。
アジア内でまずしっかり波及して、そこから飛び越えてアメリカでもヨーロッパでも受けてる。
そういう結果が出てるんだけど、そういう情報自体が日本には無くて。

※こちらの映像で少し落日飛車Sunset Rollercoasterのcoachella出演時の様子が見れます。



「今回のイベントにおける日本のバンドのセレクトについて」


ーーこのイベントのラインナップを見ていて面白いと思ったのが、
日本のバンドのセレクトだと思いました。

日本のバンドの中でもさっき言っていたそういう認知のされ方(落日飛車Sunset Rollercoasterのような動き)をしているバンドを
選んでいるのかなと思ったのですが。
The fin.とか。ミツメあたり、そうなのかなと。

はい、まさにそうですね。

ーー「アジアの音楽シーンという目線から見た、アジアのバンドとしての日本のバンドを選んだ」というか、そう感じたんですが。

うん、そうですね。
めちゃくちゃ面白いんですけど、今回出演してくれる日本のアーティストって皆さんの知らないところで海外の大きなライブ会場を即完させちゃったりするんですよ。

The fin.とかはまさしく今、中国ツアーをやってたりするんだけど。
つまりアジアの国から見たら(それらの日本のバンドって)完全に輝いて見えてるんですよね。
でもその輝きが、凄さが国内ではあんまり論じられていない。


The fin. 2023年の中国ツアーの様子。



ーーアジアにおけるThe fin.の凄さってことですか?

そうですね。
「なんかよく海外行ってるよね」くらいなんですよ。「英語で歌ってるもんね」みたいな。
それくらいの情報量というか。

日本以外に居場所が出来るってことはアーティストにとってめちゃくちゃ素晴らしいことで。
特に日本みたいに色んな音楽性がすごいある国って、(日本以外の)アジアの国に行けば行くほどあんまり無いんですよ。
さっきの話と矛盾に聞こえるかもしれないけど。
日本のアーティストたちってすごく幅が広くて。

ーーそれは実際に他の国を見てきて思ったんですね。

そう。もちろんどの国にも、いっぱいアーティストはいるんですけどね。
でも日本はとにかく質も量もさすがというか。
本当にそれこそ規模感的にもアメリカについで、みたいな感じ。

なのに基本的には内需でやってる。
基本的には「日本のフェスに出ようぜ」という話に終始しているというか。。
日本て、その幅広いジャンルの中にこれまた物凄い沢山アーティストがいるんですよね。

ーーああ、単純に数が多いんですね。

数が多いうえに日本はライブハウスのインフラが圧倒的なんですよ。本当に多い。
もちろんロンドンとかも多いけど。
渋谷とか下北沢なんか、もう信じられないくらい多いんですよ。
ライブハウスが多いから、こういう風に周遊サーキットが人気になってるわけじゃないですか。距離が近い中にいっぱい乱立してるし。

で、毎日そこでライブやってるわけですよ。
東京だったら月曜から日曜までびっしりライブ埋まってるわけじゃん。

ーーこんな国は無いってことですか?

こんな国は無いです(きっぱり)

ーー笑

特にアジアでは、ライブハウス自体が無い国も全然あるんで。
そういう環境の中から生まれた幅広いアーティストが国内にだけ向いてる
この状況がすごい勿体ないとは感じてて。。

「この日本のアーティスト、すごくタイに合うな」って思ってるタイの関係者がいたりとか。
リスナーもそうだよね。そういうのってspotifyでいま可視化されてるから、ちゃんと特徴も見えたりして。
タイはビートの速いロックバンドは受けません、みたいな。
そういうのもあったりするわけですよ。

日本ってジャンルが幅広いし、どんなジャンルにも良いバンドがいるわけ。だから「日本でメジャーデビューするんだ、日本一になるんだ」っていうより、めちゃくちゃアジアで需要あるよ、って思ってる。

ーーつまり、さっきはアジアのバンドを日本に紹介したいって言ってたけど、日本のバンドをアジアに紹介したいという気持ちもあるってことですか?

そう、だから相互ですよね。

ーーつまりBiKNは今アジアに向いてないバンドをアジアに紹介できる場にもなる、ということですね。

そうなったら面白いと思いますね。


「繋がっているアジアのシーン、そこに居ない日本のバンド」


強い言い方をすれば、既に日本以外のアジアの国ではお互いの国のアーティストを聞き合う、ということになっている。
そういう状況で、我々が今回のイベント「BiKN」で「こっち見てー!」ってやるのも実はちょっともう遅いくらいなんだけど。笑
でもそんな中で日本のプレゼンス(存在感)も高くしたいって言うのはやっぱりあるので。

で、そういう交わりってやっぱりどう考えてもすごい刺激じゃないですか。日本人の目線からしたら、コーチェラに出てるアーティストが自分たちの町で間近に見れちゃうっていう。

で、アーティストからしたら、そしたら世界との距離感も分かるわけじゃん。こういうバンドが世界に出てるんだ!っていうかさ。

XJAPANって言われても距離感、よく分からないでしょ?笑

例えば下北でインディーサウンドを鳴らしてる子たちがさ、
今回の出演者を見て、「あれ?でもなんかすごい近いな、バイブス近いな」と思ったらさ、めちゃくちゃ良いじゃないですか?

ーーあー、なんか逆にコーチェラが身近に感じちゃったりするかも?

そうそう、そうなんですよ。

でも、日本以外の国ではもうみんながそういう話をしていて、
みんながお互いの国のバンドを見ていて、っていうのが早々におこっていて、、

ーーその辺もう少し詳しく聞きたいですね!
台湾、タイとか韓国とか各国がアジアのバンドを共有しているというか、共通で認識しているというか、そういう状況はどういう風に分かったんですか?
各国のフェスを見て?


そうですね。
もともとわたしはTHISTIMEというインディーレーベル、会社をやっていて。
海外のアーティストのライセンスリリースだとか、
ツアーの制作だとかそういうことをやっていたし、
所属の国内アーティスも海外っぽいサウンドをしていたし、
それをずっとやっていたことで、海外への扉は開いたわけです。

日本で「海外の音楽から影響をうけたアーティストを広めよう」っていうのをやっていたことで、
海外から「なんか分かるわ、君のとこのアーテイスト分かるわ」ってリアクションがあって。

ーーおれらとルーツが一緒じゃん、みたいな反応ですか?

そうそう。あと「日本語の響きが面白いね」とか。
その感覚って逆に日本人の我々にはホント分からないと思うんだけど。笑

そういうリアクションがあって、海外のライブにも呼んでもらう事があって。
そこでいろいろと触れていくんですよね。
「あー、いっぱいこんなバンドいるんだ」みたいな。

ーー海外にライブに行ったのは具体的に何のアーテイストですか?

たとえばLucie,Tooとか。


※2018年バンコクのフェス出演時の映像。


ーーあー。そうですよね。盛んに海外に行ってましたよね。

それこそ韓国に行ったり、タイに行ったり。
で、そこで「あータイのアーティストかー。」みたいな。

Lucie,Tooだけじゃなくて、他のバンドでもアジアに行ってるうちに、
イベントに出てるバンドを覚えていくんですよね。

で、そうしてるうちに
「こないだタイで見た、あのバンド、ソウルのイベントでも出てるな?あれ?」みたいになっていくんです。笑

で、そのタイのバンドに「君たち、良いね~!」なんて話しかけたりして。
酔っぱらって「君たちいいじゃん、いいじゃん、ホットだね」なんて話しかけて笑

で、ふとspotify見てみたら500万人リスナーとかなの!笑

それで「え!?」っなって。
そういえばタイのバンドなのに普通に韓国でも人気あるけど、
これってなに?!ってなって。笑

タイ、韓国だけじゃなくて、それこそアジア全体で聞かれてるんですよ。
アジア全体のヒット曲みたいになってるわけ。
「ああ、あの曲ね」、みたいに共通認識になってるんです。
でもこれ日本に届いてないじゃないですか?

ーーそういうことなんですね。
アジア全体で国を跨いでヒット曲が共有されてるっていうのが面白いですね。

面白いよね。
でもそこがどういう風にそうなっていったのかまでは勿論分からないんですよ。ただ、そういうことはもう起こっていて。

色んな国に音楽を持っていこうって人たちがそれぞれの国にいて、
(各国で聴く音楽が)ミックスされていって、
その結果リスナーみんなが「これ分かるわ。分かる、分かる」ってなって。
それが(日本以外のアジアで)バイラルヒットして、そしてフェスにヘッドライナーで出演してる。

(韓国のフェスなのに)「あれ?これってタイのアーティストだよね?」みたいな。

で、そこで思ったのが、
シンプルに「あれ?俺たち除け者なのかな?」みたいな笑

音楽に携わる仕事をしてるものとして、
「あれれれ?今日、日本のアーティストいないよね?あれ?」みたいな。。

ーーうわー、その時の気持ちって、ちょっと悔しい感じですよね?

これはやっぱり無茶苦茶、悔しいんですよ。
なんか、、その、、なんだろう、、

「すごいな」って気持ちはあるよね、「これは確かにすごいな」みたいな。

ーー音楽的に?

そう、でもこれこのまま日本に持ってきてもちょっと違うな。とかもあるし。
でもやりかた次第かな?とか、いろいろそんなのをモヤモヤ考えながらね。

でも「あれだよな、事実として日本のアーティストあんまいないよな。。」
そういうのがだんだん溜まってくるわけです。

ーーなるほど

そういうのが、今回開催を思い立った理由の中でもかなり大きいかもしれないですね。

ーーBiKN開催の動機として。

はい。

なんか海外に自分のとこのアーティストを連れて行ったときに、
「ほんとこのチャンスを頂いてありがとう」だし「また行きたいよね」みたいのはある。
だけど居場所として捉えられていたか?っていうとなると怪しくて。。
海外に来た。ライブをした。その後のことを地続きで考えていたか?っていうとね。
実際そういう手応えとか、(海外でも)やっていこうっていうのが当時あったか?っていうと、当時は無くて。
結局「日本に戻ります」「主戦場は日本です」みたいな。

ていうふうに、まあ「関係ない」っていうふうに思っていた中でさ、
かたやアジアの国同士で共有しあってるレギュラーみたいな存在のアーティストがいるわけじゃん。
自分の国を飛び出してやってるのに、他の国でも居場所を見つけてるっていうか、見つかってる状態なわけ。

これ、すごいなと思って。

「日本がしっくりこないアーティストにも世界にはめちゃくちゃ居場所がある」


まあ、本人たちがちゃんとそこをマーケットとして捉えてて。
簡単にいうとすごいグローバルな活動じゃないですか。
それってめちゃくちゃ希望がって。

ちょっとおれ、語弊があって色んな人に怒られたんだけど。
「居場所が無いなって思ってるアーティストがいたら、ぜひこのBiKNに注目してください」みたいな、一回そういうツイートをしたことがあって。

ーーはい

そしたら、「居場所が無い」とかすごい上からのツイートですよ、って言われて。
ああ、そういう捉え方もあるのかって反省したんですけど。。

言いたかったことは要は、
すごい音楽的に豊かだったり、他に無いような独立的なものをやってるとかで、ライブハウスとかCD屋とかサブスクの売り上げとか、
なかなかお客さん増えないなーとか、そんな事だけで
もし「居場所が無いな」って思ってる人が居たら、
いやいや、世界にはめちゃくちゃ居場所がありますよ!っていう、それが言いたかったんですよね。

ーー居場所がないというか、なんか日本だとなんかしっくりこないなー、みたいな?

そう。なんかみんなが好きって言ってるバンドがしっくりこないなーとか。お客さんにしてもそうだと思ってて。

日本のバンドの中にも、海外に届いてて、同じようにヒットして、ってバンドがいるわけですよ。
おとぼけビ〜バ〜とかさ、春 ねむりとかさ、、


※おとぼけビ〜バ〜の2022年の海外有名フェスでの映像。他にも世界中でライブしている映像が多数Youtubeではアップされている。



ーーCHAIとかもそうですかね。

そうそう。僕らが大好きなアーティストが世界で人気になってる例はあって。
でも僕は(それらは)美しい広がり方をしてるな、って勝手に思ってるんです。
つまりそれはどういうことかっていうと、バイラルヒットにはなってないんですよね。

ーーいわゆるバズったみたいなことですか?

そう、いわゆるサブスクでバズったとかはそんなにないんだけど、
でもみんなライブを見たらびっくりするわけですよ。
なんかすごいアーティストだな!みたいな。
で、そのパフォーマンスが次に繋がって。
そのパフォーマンスがTikTokですごい再生されたりね。

でも、これはおれの体感だからそんなに根拠はないんだけど、
結局、チャンスを経て世界に出た時に、日本の国内で切磋琢磨した強さみたいのが、、普通にパフォーマンスとして、レベルが高い。

ーーさっきも言ってた日本のインフラの強さ、レベルの高さですね。

そう、レベルの高さとか「日本以外の国に無いな、これ、」みたいなサウンドだったりするわけですよ。
それで海外中に呼ばれるわけ。ずっとツアーしてる、みたいな。
こういう現象は全然起こり得る時代にはなってきてて。
さっき言ってたThe fin.もそうだしね。
でもその状況がなかなか日本国内には見えきってないよね。

「日本のリスナーの強さ」


日本のリスナーも強っ!てなると思うんですよね。
やっぱ日本のリスナーって変態ですからね。笑

ほんとにその、聞き方がぜんぜん違うよね。すごい静かに聞く、みたいな。
他の国に行ったらワッショイ、ワッショイ!みたいな感じだから。笑
それも国によって違うんだけど。
日本の人はホントにずっと真剣に聞いてるよね。
あれ、びっくりするよねって思う。

アメリカのバンドとかいわゆる洋楽と言われた欧米のバンド達がずっと言ってきた、
「日本の客は静かになるんだよ。」
「いや、あれは熱心に聞いてるんだよ」みたいな話あるじゃないですか。

ーーよくインタビューで目にするやつですね。

あれを今アジアのバンドがくらってるんです。笑
静かだけどこれ大丈夫?みたいな。

ーーやっぱりそう言ってるんですね。笑

でも日本に来てもらって、リスナーに触れて、
「すげえ深堀してくれるやつめっちゃいるなー」みたいに、なると思うよ。

ーーあとよく聞くのは共演した日本のバンドめっちゃ良い、みたいな感想も聞きますよね。

そうそう。だからそういう交流もあるし。
日本でやってる日本のバンドたちを見たら、きっとすげえなってなると思うんですよ。
僕も海外のバンドはなるべく見に行くようにしてるけど、
やっぱ一緒にやってる日本のバンドはレベル高いって思いますもんね。

ーーへー!

そりゃ親和性生まれるべきでしょ。
だから逆に日本のリスナーも見つかってほしいし、日本のバンドも見つかってほしい。

ーーなるほど、このBiKNは世界から日本に向けたレーダー、かがり火でもあるわけですね。

そう、こっちに変態がいるよーって笑


「アジアのバンド経由で日本のバンドにたどり着く可能性がある。洋楽ファンと邦楽ファンの融合の新しい形。」


今回の「BiKN」の音楽性は割りとインディーロックに偏ってるかもしれないですね。

ーーちょっとTHISTIME色に寄ってる?

そうですね、インディーロック色に寄ってる。それはちょっと意識的にやったかもしれないですね。

それはなぜかっていうと、日本から海外、アジアに行ったバンドはそういうサウンドのほうが多いかな、と思って。それもあったかも。

ーーミツメ、The fin.、She Her Her Hers とかですかね。

She Her Her Hersはいまや、もう素晴らしい活躍ですから!


https://youtu.be/A8Gk5FQPW3Q?si=VHCxAz1FGJHU4X-a


ーーそうですよね。

ほんとに。自分たち(THISTIME主宰)のイベントにも出てくれたアーティストで、いますごい世界に打って出てて。

今回のイベントの告知用のコメントをください、って言った時に
彼ら三か国語でコメントくれるわけですよ!

ーーすごい!

ハロー、こんにちは、ダージャーハオ、みたいな。

ーー世界を見つめてるっていうか、体感してる人のやることですね。

そうそう、体験を経れば、世界にも自分たちの居場所を持っていれば、
どんどんそこへの意欲も出てくるでしょ。
伝えてみよう、みたいな。

居場所がある人とちょっと行っただけの人では、全然違うわけじゃないですか。
さっき僕が「昔は分かって無かった」みたいな話をしたじゃないですか? だから、それと全然違うんですよね。

「明日また日本に戻るんだ、今日は海外でライブやって盛り上がって良かった。明日からまた日本で頑張ろう」っていうのとは。

ーーもう海外のファンが見えてるんですね。

そう、見えてるんだから伝えたいじゃん!
そりゃもう、めちゃくちゃ可能性が広がるのを自分で体感して、
その結果どんどん学びなり、欲が出て。
歌もそういう歌になっていく可能性があるし。

ーー確かにその国の風景やファンが見えてたら、曲も変わってくるでしょうね。歌う言語も変わるかも?

そう、色んな国の言葉で歌ってもいいわけだし。そのいろんな国の言葉で歌うっていう事の説得力が段違いじゃないですか?

ーー確かに!

日本に来るようになってるアジアのアーティストにもそういうアーティストが居ると思うからさ、
この感覚自体は、すごく広く知られるべきというか。

リスナーにとってみても、色んな事にチャレンジするきっかけになるっていうか、いろんな文化を知るきっかけになるっていうか。
例えばMåneskinていうイタリアのバンドが居たことで、イタリア語を勉強してみたりとかさ。
それと同じような事が全然起こるっていうか。

今回の「BiKN」の出演バンドの中には欧米のバンドに影響を受けたサウンドのバンドもいっぱいいるから、すーっと入れちゃう気もするんですよね、
洋楽ファンの人たちも。

で、そうやってアジアのバンドが面白いってなったときに、そこにはちゃんと日本のバンドもいるというか。
そういう「混ざる」という事がまだまだ起きるかな、というのは思い描いてますね。

なんか昔からすごく洋楽と邦楽の垣根みたいなものが論じられてきたけど、なんかここにきて、もしかしたらそういう目線から(洋楽ファンと邦楽ファンが)融合、邂逅していくんじゃないかなと。。

ずっと洋楽レーベルみたいなものをやってきた身としては、※
現在自分のやっている事が、一応今もその(洋楽を紹介するという)道筋の上に居た、みたいな感覚があるし。
なんか面白いことになればいいな、っていうのは感じてます。

※THISTIME RECORDS は海外アーティストのライセンスリリースから
20年に及ぶ歴史がスタートした。


藤澤さん(THISTIME RECORDS 代表)BiKNイベント実行委員メンバー。  今年20周年を迎えた下北沢のインディーレーベルTHISTIME RECORDS の代表。国内外のインディーロックバンドのリリースに始まり、現在ではツアー制作、マネジメント、ディストリビューション事業、果てはゲストハウスの経営までその事業内容は多岐にわたる。音楽業界で一番楽しそうな大人。声が異常にでかい。ニックネームはどす恋松ぼっくり。


BiKN出演アーティストをまとめたプレイリストもあります。
ぜひ聞いてみてください!


チケットは下記URLで購入可能です。

国内

https://w.pia.jp/t/bikn-shibuya-23/

海外

https://w.pia.jp/a/bikn23eng/



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