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助言プロセスの真骨頂。ティール組織の実践から見えたこと。

※ティール組織の詳細についてはこちらをご覧ください​


1.助言プロセス導入の背景

存在目的の下集まったメンバーがセルフマネジメント(自主経営)と全体性を持ちながら、階層のない組織で働くティール組織。新時代のニュースタンダードになりうる革新性と柔軟性を持つこの組織に魅力を感じた人も少なくない。できることから始め、いま所属する組織にティールを導入しようとした方もまた少なくないのではないでしょうか。

しかし、著書の中ではティール組織は概念的に説明されている側面が強く、ティール組織を導入するHow to の部分については具体的には説明されていません。そもそも著作の中で出てきていた企業の中で既存の組織をティール化させた例は1つしかありませんでした。既存の組織においてティール組織を導入し、実践するとは口でいうほど容易くないのかもしれません。

そこで、私たちはティール組織を実際にやってみることにしました。

我々は我々自身を3名の構成員からなるティール組織と位置付け、改めて我々の存在目的を「日本における最適な組織論を発掘し、文章化して世に出すこと」

を掲げ、この目的の達成のために全体性と自主経営を醸成するようなシステム作りを始めました。

前置きが長くなりましたが、今回は一番初めに導入した意思決定プロセスである助言プロセスについて説明し、導入の方法を述べ、実践の経過を報告していきます。

2.助言プロセスの定義

ティール組織における意思決定の手法の一つで、以下のように説明されている。

原則、組織内の誰もがどんな決定も下すことができる。ただしその前に、すべての関係者とその問題の専門家に助言を求めなければならない。助言を聞き入れるか否かは、助言をした人が階層の上にいようとも、意思決定者に委ねられる。

つまり、なにか組織の意思決定をするときに、専門知識を持つ人やステイクホルダーになり得るメンバーの批判・応援・質問を得ることでチームとして結論に至るということだ。ここで注意したいのが、あくまでコンセンサスをとるわけではなく、独立した個人の考えを組み合わせることにこの本質がある。

Holaconではこの助言プロセスを意思決定の方法とし、各個人が何か気づきやアイデアを得たときはすぐに助言できる体制を整えた。

3.実践方法

現状、Slack、LINE、週1回のオンラインミーティングのいずれかで助言プロセスを求めることができる。なにを使うか、いつ・誰に助言を求めるかは意思決定者に委ねられ、助言者は求められればなにかしらの助言をするものとした。ただし留意したいのが著作に基づき特にルールを明文化して方法を限定しているというわけではない。あくまでも方法は自由である。

4.経過報告 実践を通して見えてきた課題/改善点

ここでは実際に助言プロセスが行われたケースについて、そのケースの概要と振り返りをまとめ、結論に繋げていく。

ケースA「Holacon紹介文」

HolaconのNote第一弾について(こちら)。Noteの公開について100%投稿内容が出来上がった後の段階での後追いでの承認のための助言プロセス。記事の公開後の助言プロセスで、LINEでの助言の要求で、後追いで公開の意思決定をした。これはセルフマネジメントを優先した結果このようなプロセスになった。メリットとしては、個人でアウトプットを作りきるので、助言のプロセスのスピード感は担保できる。ただ一方で、完成したものに対して大きな修正は利かない上に、LINEというツールの特徴から内容に関して大幅な変更を伴う助言をすることがいずらいというようなデメリットも感じた。また内容に関して同意する部分が多い場合、助言の量が少なくなってしまったというそもそもの助言の質や量など、リテラシーを求められるという難しさを感じた。

ケースB「ティール組織のNoteアウトプット」

記事を30~40%の完成度の段階での助言プロセスの後、100%段階でのアウトプットの2段階で助言プロセスを踏み、内容と公開方法に関して意思決定をした。Google Docsにてドキュメントを共有したことで各自が好きなタイミングで助言することができるようにした。そのため、記事に対する助言はオンラインでのやりとりでスムーズに交換することができ、チームのアイデアを個人の意見を組み合わせながら作り上げることができた。しかし、各々が多くの助言をすることができるがゆえに、助言の分量が膨大になってしまったことで、記事のブラッシュアップに時間がかかってしまい、結果全体のスピード感に欠けてしまうというデメリットもわかった。

ケースC「今後のインプット内容・方針に関しての助言プロセス」

アウトプット0%での助言プロセスを試みた。今後の方針についてと参考文献の選定について意見を持ちつつアウトプットを持たずに、相談という形の入りで最終的な今後2週間の方針に関する意思決定を目指した。しかし、助言プロセスというよりは相談という形式になってしまい最終的に指針は決まったが、助言プロセスによる意思決定はされなかったというように感じた。あくまで個人のアウトプットありきで、そこに対する助言でなければ、効果的に意見を組み合わせることができない。

以上のことから、助言プロセスにおいてはアウトプットの必要性と、アウトプットの共有の段階はその量、求めるクオリティー、タイミングによって適切な助言プロセスのタイミングが異なるのではないかという仮説が得られた。

さらに、意思決定においてアウトプットと、助言を聞くことの必要性を意思決定者が感じることで、セルフマネジメントと全体性の意識が高まるという効果も期待できる。助言を求め、求められる関係性を作ることでチームへのコミットメントや自分のアウトプットに対する責任感が上がる効果は実感できたうえに、期待もできると感じた。

ただ一方で、そもそもの助言とはなにかという部分や助言の量が増えてしまうことでこのプロセス自体に時間がかかってしまうというデメリットを感じた。

今後もティール組織としての活動を続けていく中で今回の助言プロセスの効果と課題を追求しより適切な組織体制を模索していきます。

最後までご覧いただきありがとうございました!!


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