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地方におけるウェブ制作者の仕事とキャリアを考える|!important 2019に登壇して

福岡のセミナーイベント「!important 2019」に登壇しました!

4/20 に、博多アーバンスクエアで開催された「!important 2019」に登壇させていただきました。参加者 100名以上、2トラックに分かれて朝10:00から19:00までぶっ通しの濃いイベントで、内容の幅広さと参加者の熱量に刺激を受けました。

僕は、「受託制作から運用支援へ -地方で実践するウェブ制作者の業態転換-」というテーマで、3 年前から取り組んでいる「ウェブ制作しない仕事」について事例を交えて紹介しました。

いやー、めっちゃ楽しかった!参加者の皆さん、登壇者の皆さん、そして準備からフォローアップまで対応いただいた運営スタッフの皆さん、ありがとうございました!

この 1 年ほどで県外で登壇する機会が増えているものの、「高知で僕がやっていることが、他の皆さんの役に立つのか?」と、内容を考えながら不安を感じてました。

でも結果的には、地方の中小企業さんと仕事をしている人であれば、共通の課題意識と悩みを持っていて、誰かが一歩踏み出したら、それがヒントになるんだなと再認識できました。

アンケートや懇親会で、「自分の強みを発見し、磨き、変化する」というメッセージへのコメントや質問が多かったので、人生100年時代といわれる時代に地方でウェブ制作者として働くことの価値について、改めて書いてみます。

地方のウェブ制作者は、ビジネスを学ぶ上で最高の環境にある

ふろむださんの著書『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』にもある通り、僕たちがプロとしてキャリアアップしていく上で「環境」の要素は非常に重要です。都内の上場企業やスタートアップベンチャーの職場環境から得られる経験は、高知県の小さな会社ではとても得られないでしょう。

一方で、地方のウェブ制作者であることで得られる経験や学びは、他に代えがたいものがあると思っています。

具体的には、

①あらゆる業種・業態の企業のビジネスモデルやサービスに触れることができる

BtoCであろうとBtoBであろうと、ウェブの活用が事業成果にインパクトある施策であることを多くの企業が認識しています。ウェブ制作者は、そのニーズに応え、事業成果を上げる支援機能としてのウェブサイトを制作することが求められます。その過程で、様々な業種・業態のビジネスモデルやサービスを学ぶことができ、その経験が次の仕事の質を高めてくれます。

②経営者や事業責任者の方と仕事ができる

地方のウェブ制作会社であれば、多くのクライアントが地元の中小企業さんではないでしょうか。ウェブサイトは、その性質上、企業の事業全体を把握して、どのような重み付けでメッセージを発信するか、印象付けをするかという判断が必要になります。ですから多くの場合、中小企業のウェブ制作には、経営陣や経営者に順ずる事業責任者の方が方向性の決定に参加します。仕事の中で、経営者の考えや事業に対する姿勢を学ばせていただくことができる。これは、ビジネスマンとして最高の環境だと考えています。

③社会の変化の兆しに気づくことができる

PEST分析というフレームワークがありますが、今最も影響力が強いものが「T:Technology」だと感じます。

P:Politics(政治)
E:Economy(経済)
S:Society(社会)
T:Technology(技術)

ウェブテクノロジーは、潜在的なニーズに合致すれば全世界的に一瞬で広がり、政治、経済、社会すべてにインパクトを与えます。4つの要素のうち、最も国境を超えやすい点が影響力が広い理由なのかもしれません。ウェブ制作者として、仕事を通じてウェブテクノロジーへのアンテナを張っておくことは、変化の兆しを他者に先んじてキャッチすることになるのではないでしょうか。

僕たちは、仕事を通じて何を提供しているのか?

セッションでお話したように、この 1, 2年でウェブ制作(=ウェブサイトを作る)の仕事以外の仕事が増えてきています。

具体的には、

①強みの可視化… 企業や商品・サービスの強みを可視化し、見込み客に魅力を伝えるためのメッセージを作り、それを届ける仕組みを作る

②施策の効果検証… 売上や顧客・商品データやウェブデータを分析し、サービスやキャンペーン施策などの改善点を見つけ、具体策に落とし込む

③実行体制の構築… 中小企業が内部にウェブマーケティングの実行体制を持ちたいという内製化ニーズに応え、体制づくりやスキルアップを支援する

という仕事の内容を紹介しました。

これらの仕事は、すべてウェブ制作の仕事から派生してできたもので、かつ意図的につくってきています。

セッションの中で「自分たちの仕事を、業種や職種、会社の名前で捉えていないか?」という問いかけをさせてもらいました。
もちろん、職業は?と問われたら「ウェブデザイナー」「フロントエンドエンジニア」と答えるほうが分かりやすく、スムーズなコミュニケーションにつながるでしょう。

ただし、「私たちの仕事はなにか?=What We do」という質問に対する答えは、この回答では不十分だと思うのです。

アンジェラ・ダックワースさんの著書『GRIT』にも登場する逸話「レンガを積む人」になぞらえると、以下のような図になります。
レンガを積んでいる人に「何をしているんですか?」と質問すると、3つの回答が返ってくるってやつですね。

コードを書く人(職種)ではなく、ウェブ制作者(業種)でもなく、ウェブを活用してクライアントの事業成果に貢献する人(使命・役割)と捉えると、自分の仕事の見方が変わる気がします。

一段階上の抽象度で自分たちの仕事を捉えることからスタートすると、目先の技術やスキルアップだけに惑わされず(それも大事ですけどね)、自分たちの仕事の価値やキャリアを考えられるのではないでしょうか。

どのスタンスを取るかで、日々の業務のなかで得られる知見も大きく異なるとも感じます。こういったことに気づくには、"外のモノサシ"が大事ですね。

"外のモノサシ"を知る上で、ぴったりなイベントが5/18に高知で開催されます。
よかったら初鰹を食べに高知に来てください ^ ^

コミュニティリーダーズサミットin高知 -2019 初鰹編 - 
https://eventregist.com/e/CLS_Kochi_3

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