見出し画像

法人化を決めるタイミングって? 公認会計士・税理士の法人設立エピソード【前編】

皆さん、こんにちは。
公認会計士・税理士の矢野裕紀と申します。クラウドツールを活用した経理の効率化コンサルや、フリーランスの自分経営サポート、一歩踏み出す場づくり事業など、自分の得意や好きなことを軸にした活動をしています。

私は、独立をして4年半ほどになりますが、現在は、2つの法人と、1つの個人事業主事務所という体制で事業をしています。

といっても、それぞれ正社員はおらず、フリーランス的な生き方を続けています。

今回の記事では、そんな私自身の法人づくりの具体的な経験をお伝えしますので、現在、法人づくりに興味を持っている方、法人化を検討中の方はぜひ参考にしてみて下さい!

1.私はこうして法人化を決めました

例えば、ネット検索で「フリーランス 法人化 いつから」などど調べると、「売上高が1,000万円を超えたら考えよう」とか、「利益が〇〇百万円を超えるようになってきたら考えよう」などと、諸説出て来るかと思います。

私も、法人をつくるときはこのような記事や、参考になりそうな書籍を読み漁りましたが、最終的には「法人をつくったほうが事業がうまくいきそう!」「この事業で実現したいことを実現するために法人化しよう!」という想いのもとに意思決定しました。

2.現在の体制

冒頭でもお伝えしたように、現在、私は2つの法人と、1つの個人事業主事務所の体制で事業をしています。

出典:Y-Life-World
https://y-life-world.style/

クラウド会計ソフトのfreeeを軸に、様々なツールを組み合わせ、企業の経理部門の効率化や経営の見える化をサポートするアカウンティングサポート株式会社 、通称アカサポ。

フリーランスの税金や経理の相談に乗りながら、それだけではなく事業全体をナビゲーションする”やのナビ”というオンラインコミュニティを運営している矢野会計事務所 、通称矢野会計。

様々なテーマ、方法でコミュニティやイベントを開催し、一歩踏み出すための場づくりを手がけているつながるサポート株式会社 、通称つなサポ。

いずれも、いわゆる正社員はおらず、都度必要に応じて事務的な手助けしてくれるサポートメンバーさんや、事業運営に必要な各分野のプロの方々にサポートしていただきながら事業を展開しています。

そういう意味では、法人を2つ運営してはいるものの、フリーランス的な生き方をしていると自分自身は考えています。

3.現在に至るまでの経緯① つなサポ創立

私は、2009年から6年間、あずさ監査法人という、公認会計士が3,000名ほどいる会社に勤めました。その後、税理士事務所に転職すると同時に、副業も認めてもらっていたため、経理関連のコンサルティング事業や、経理に全く関係のないワークショップ、勉強会、ボードゲーム会などの場づくり事業も行っていました。

その後、2017年6月に矢野会計事務所として完全独立しました。矢野会計は個人事業主の屋号で、経理部門のコンサルティングをメインにスタートしました。

そして、2017年9月には、一つ目の法人、つながるサポート株式会社をつくりました。

副業時代から取り組んでいた、自己研さんや人と繋がる場づくりに関する事業をこの先も本気で取り組みたいと思った時に、「会計事務所がやっている〇〇」のような枕詞が、かえって雑音になると考えたからです。

会計事務所主催の読書会、会計事務所主催のボードゲーム会、会計事務所主催の将来を考えるワークショップ…どれも会計事務所のサービスがバックに控えているフロント企画のようなイメージになってしまいます(笑)

自分としては、そうはしたくなくて、会計事務所のフロントというイメージではなく、場づくり事業は場づくり事業で完結させたい、場づくりのみで価値提供していきたいと本気で考えていました。

そこで思いついたのが法人設立でした。

会計事務所と別の事業体をつくることで、会計事務所のフロントのようなイメージはなくなり、場づくりそのものに集中して、その取り組みを届けたい人に届きやすくなるのでは?と考えたのです。

4.現在に至るまでの経緯② アカサポ創立

アカウンティングサポート株式会社 、通称アカサポは2019年6月に設立しました。

アカサポを設立したのも、自分の取り組みたい事業をより良く進めていくために必要と感じたからでした。

矢野会計で独立した際には、経理部門のコンサルティングを軸に考えており、税理士資格は持っているものの、顧問税理士業務は行わない、と決めていました。

とはいえ、税理士資格を持ったコンサルタントが経理のサポートに入ると、少なからず顧問税理士さんには「こいつ、仕事を取りに来たな」と誤解させてしまうことも多く、本来、顧問税理士さん協力のもとに効果を発揮する経理事務効率化や経営の見える化がなかなかスムーズに進まない、ということもありました。

また、協力関係にある先輩税理士さんから、「顧問先に経理効率化コンサルを提案しにきて欲しい」とお声掛けいただいても、その顧問先さまに「税理士2人はいらないかな」と本題と離れた印象を持たれてしまったりすることもありました。

そこで、自分の存在について、不要な誤解を与えず、スムーズにお役立ちの価値をお届けするためには、経理部門のサポートをする会社を立ち上げ、明確にその立場で携わらせていただくのが良いと考えました。

これがアカサポ設立の経緯です。

5.法人をつくって実感したこと

2017年に初めて法人をつくってから4年が経過しました。

その中で実感したのは、法人づくり・法人成りというのは、決してフリーランスの延長ではないということでした。

法人成りは、自分が法人になるということではなく、法人という新たな存在をこの世に生み出して、その法人に自分を所属させるということです。

そうすると、フリーランスとして活動することに比べて、必然的に従わなければならない社会的ルールも増えてきます。知らなければならないこと、対応しなければならないことが増えるので、手間やコストがこれまで以上にかかることになります。

単に、目先の税金が安くなりそうといった感覚で法人づくりをすると、思わぬカウンターパンチを食らい、逆にコスパが悪くなってしまうかもしれません。

私自身は、最終的には、想い重視、事業の未来重視の判断で法人を立ち上げたので、何とかそれを乗り越え、事業に集中することができています

私のこのような経験や考え方が、これから法人化を検討しているフリーランスの皆さまにとって、参考になるものであれば幸いです。

次回記事では、つなサポ、アカサポを創立するまでの具体的エピソードをお伝えしようと思いますので、ご興味ある方はぜひご覧ください!

Text: 矢野裕紀(公認会計士・税理士)

■オンラインコミュニティ「ホクレア」とは?

近日開催! どなたでも参加できるオンラインイベント情報

【トークイベント】

2022年3月18日(金)12:00〜13:30
チョウシ・チアーズ株式会社 佐久間 快枝さん
詳細&申込みはこちら>>

【個別質問会】

平日12:00から、ホクレアの個別の質問会を行っています。コミュニティについて気になることがある方、どんな人がやっているの?などお気軽にご予約ください。(30〜60分程度)
●申込みはこちら>>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?