学食日記 #4 ミックスフライ

授業の終了時刻が長引いてしまった。小テストがあったからだ。ネットワークの不調で、大問一つを全て入力できずに強制終了した。これだけが原因ではないが、普段より20点ほど低かった。ショックではあったが、売り切れる前に学食へ急ぐ。私の前に6人並んでいたそのとき、ミックスフライは残り3つで終了です、という声が聞こえてきた。どうか、ミックスフライを譲ってくださいと心の中で祈った。祈りが通じたのか、通じていないのか分からないが、無事注文することができた。


改めて本日のメニューは、ミックスフライ。ミックスという言葉にワクワクしかない。ちなみに、ミックスフライの中身は、コロッケ、エビフライ、ピーマンの肉詰めフライ。


いただきます。


まずは、コロッケから。想像して欲しい、サクサクの衣をまとったコロッケに箸を入れたときの気持ちよさ。まずは一口。ホクホクのじゃがいもと、サクサクの衣の相性が抜群だ。


次にエビフライ。安定の美味しさだ。エビフライは、お子様ランチから定食まで主役級の存在感を示している。そしてその期待通りのポテンシャルを発揮する。子供から大人まで好きなものランキング上位に入ってくると思う。


そしてピーマンの肉詰めフライ。これは斬新である。ピーマンの肉詰めという完成された料理を揚げる。今ある地位に満足せず、新しいことに挑戦せよ、というメッセージがこもっているように感じる。主役級の旨みと味わい。エビフライの独裁時代は、今日で終わりを告げた。ふと思ったが、衣の中にピーマンの肉詰めが入っているということは、肉は二重の膜の中にいるということである。これはいくら冬でも暑すぎないか。


本日のメニューは、揚げ物のパラダイス。各々が個性を出しながらも、調和している。人付き合いから社会や世界も、ミックスフライのようになれば良い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?