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限界OLクソ短歌(2023/10)
おとなにはなりたくないって言えるほどこどものままでいたかったのに
きっともう最後になるとわかっててきみに「またね」と呪いをかける
生きているだけでえらいと思ってる だからおふろは明日入ります
えっまさかまたキレてます? とりあえず6秒待つのがコツらしいすよ
もうダメです 所詮わたしは無能だしCO2だけ生み出すゴミです
さっきからあれやれこれやれうるせえな 串刺しにして焼いて食べるか
趣味もなくやりたいことも特になく夢も希望もないけど生きてる
ただここにいて体温を分けてくれ すべてを受け入れなくていいから
痩せたいと食べたい気持ちを両立しおなかの肉をちぎって食べる
大丈夫 どんな些細な偶然も運命に変えてみせる 待ってて
でたらめに空をなぞってこっそりとぼくたちだけの星座をつくる
今日を終わらない日曜とするためにまずはサザエを仕留めにかかる
救われたい認められたい褒められたい誰かに好きだと言われてみたい
いつだって手遅れだった 宿題は九月にはじめるタイプだったし
包丁は切るためのもので刺すためのものではないのに どうして、きみは、
そびえたつ未開の扉をぶち破りわたしのための未来をひらく
いつだってわたしの最初になりたがるあなたの最後にわたしはなりたい
即席の世界が終わる寸前にきみを見つける 目覚ましが鳴る
大切なひとがいること それだけで世界を救う理由になった
もし今日が地球最後の日だとして、それでもあなたにコーヒーを出す
守りたい気持ちはきっと本物だ この感情がプログラムでも
救うこと、それを勇気と呼ぶことをあなたがわたしに教えてくれた
ぜったいに死なずに帰ってみせるから だからおかえりを言って 生きて
酔ったとききみは決まって泣きながら埃まみれのピアノを鳴らす
オクターブ幅にひらいた指先にすべての怒りが託されている
素面では出番をもらえないピアノ ずれた調律で張りきって鳴く
待ってこれ お料理行進曲じゃない? 怒ってるわりに愉快な選曲
ちぐはぐに気づいてきみが笑いだす 結局ピアノもぼくもたのしい
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