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【世界史❌イスラーム❌ICT】イスラーム教徒が教室にきたよ!

イスラームの分野は世界史の難関分野

高校で世界史を教えていて一番困るのはイスラームの分野。
信徒数もどんどん増えいていて、もうすぐ世界一の宗教になろうとしているのに、教師である僕も生徒もほとんどイメージがありません。

プレジデントウーマンより引用

生徒のイスラームのイメージ

生徒のイスラームについてのイメージをアンケートでとりました。
Googleフォームで回答。

・メッカに礼拝、コーラン
・酒・豚肉禁止
・規律が厳しい
・女性の立場が弱い
・女の人が肌を見せてはいけない
・怖い

生徒の事前アンケートより

このようなイメージなのでしょう。

昨年の世界史のメンバーはオンラインでインドネシアのイスラーム教徒と繋いで交流をしました。

イスラーム教徒、教室に来訪!

今年は、昨年オンラインで授業に入ってくださったマコさん(インドネシアに帰化しイスラームに改宗した日本人)がたまたま帰郷していました。

マコさんは大学院の同窓生、しかも実家は僕と同じ静岡県中部。

ということでご縁のあるマコさんにイスラームの授業をしてもらうため、掛川西高校にお招きしました!

生徒のインドネシアのイメージ

生徒に事前にとったインドネシアのイメージは以下の通り。

・単身赴任先によくありそう
・あたたかいリゾート地
・最近発展がすごい
・イスラーム教徒が多そう
・人口が多い

インドネシアについての生徒への事前アンケート

最初にインドネシアと交流した2017年に比べると、経済発展のイメージが強くなっているところが大きな変化です。

生徒の解答結果を事前にマコさんに共有。これに基づいてお話をしてもらいました。

マコさんの授業スタート

ほとんどの生徒が初めてみるイスラーム教徒(ムスリム)に緊張!
あれ、よくみるとムスリムでありながらヒジャブ(女性が頭を隠す布)してきていない!日本でヒジャブをすることで奇異の目で見られてしまう大変さを感じました。

インドネシアの基本情報からムスリムであるお子さんの話などリアルな体験談に生徒も引き込まれます。

インドネシアのコンビニの様子をみて、生徒たちは経済発展している様子を肌感覚で感じたよう。

娘さんのバレー教室の写真。なぜかバレー教室の時はヒジャブを着けないそう。その柔軟性に生徒はびっくり。

生徒たちは、今までたくさんのイスラームへの疑問、インドネシアへの疑問を抱いていたよう。質問が殺到しました!1時間の授業があっという間に過ぎてしまいました。

生徒の感想

授業が非常に楽しかった87.5%
授業が楽しかった12.5%

生徒の事後のアンケートより

今回のムスリムを教室に招いて交流する授業は大好評でした!

インドネシアの印象はどのように変わったか

・言語や宗教が多い国だとは思っていたが、予想以上だった。
・平和で発展してきている国、と言う最初のイメージ通りでした。
・イスラームの影響が強くて厳格というイメージだったけれど、意外と宗教観がゆるくて驚いた。
・学業に対して熱心であることを知った。
・わりと自由な感じで住みやすそう。
・日本との差が全然なくて感動した。
・行きたいと思うようになった。

イスラームの印象はどのように変わったか

・怖いイメージがあったがそうでないイスラーム教徒もたくさんいることがわかった。
・イスラームの中にもいろいろな解釈があった。
・少しずつ断食の練習やアラビア語の練習をしたりと強制的な感じはしなかった。
・我慢しなくてはいけないイメージがあったが、そもそもしたいと思わないと言うことでイメージが変わった。
・意外にも親しみやすいものだとわかった

授業の感想

・実際にムスリムに話を聞くのは初めてだった。現地の写真がたくさんあって面白かった。
・たくさんの質問が思い浮かぶほど興味が湧く講座でした。
・全く未知の世界だったインドネシアとイスラームの世界を知ることができ、自分の中での印象を変えられました。
・教科書ではわからない実際のイスラームやインドネシアの空気感が伝わってきて非常に面白かった。
・最高!!
・自分達が見ていたイスラーム教は極々少数派だったことがわかった。

生徒の感想を見たマコさんの感想

学校にお越しになった後すぐにインドネシアに戻ったマコさん。
東南アジアでよく使われているWhatsAppというアプリでやりとりしました。

生徒の感想を読んだ後のコメント。

マコさん:この感想すごく鋭い!!

「厳しいだけじゃない、天国に行くための教えを全うすることで、自殺者や犯罪者を抑える効果があるという、イスラームの良い面を知れた。」

生徒の感想

マコさん:まさにそうなんです、イスラームの経典は、生きる指針であり、「法」なんですねでも現実には、犯罪も多く、信仰深い人は「罪をおかして、天国に行けなくなってしまうのに、怖くないんだろうか」と犯罪者を案じます。また、「天国に行くための教えを全うすること」が、行き過ぎると、「他の宗教の人は天国に行けないからかわいそう」「天国へ行けない他宗教の奴らは生きている意味も無いし抹殺してしまえ」とテロリスト思想になっていくのだと思います。

・・・ 

世界史の一部を肌で感じた生徒たち。
マコさんのおかげで生徒は大きく成長する貴重な機会を得ることができました。

生徒と本物を繋ぐ、本物の体験をする、というチャレンジをこれからも行っていきたいと思います!

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